Web:
Click here to visit our sponsor

窒素の事


lapiz 題名:物質循環 投稿日 : 99年7月7日<水>01時16分

ちょっと、前のお題を引っ張り戻すようで恐縮なんですが、今日の夕刊(毎日新聞・大阪)
の記事にこんなものがありましたので。

〜青森県六カ所村で建設が進められている「ミニ地球」の完成が近づいている〜
ミニ地球なんてヘッポコな名前がついていますが、正式には「閉鎖型生態系実験施設」
いわゆる“バイオスフィア”のことです。とはいえ、米国の失敗に終わったバイオス
フィアよりもずっと優秀で、より効率的な研究が出来るみたいです。

ま、それはさておき、着目したのは、この閉鎖系での酸素循環(?)供給のシステムです。
米国のバイオスフィアの失敗により、狭い空間では自然物による循環で全てをまかなう
ことはかなり難しいと言うことが分かり、この施設ではその教訓を活かして「酸素再生装置」
なるものを導入しているそうです。
この「酸素再生装置」は、施設内の空気中から分離した二酸化炭素と水素を、特殊な処理で
メタンと水にし、さらにメタンを炭素と水素に、水を電気分解によって酸素と水素にするも
のです。発生した水素は再び最初の処理に使い、炭素は必要なときに酸化させて二酸化炭素
にして最初の処理に使うという仕組みです。
これは、例の「酸素問答」において、なにか参考になるではと思い、リポートしてみました。

さらにこの施設には、「湿式酸化装置」と言う装置もあり、生ゴミや排泄物などの有機物を、
リサイクルに便利な窒素や酸素などの無機物に分解処理する、いわゆる自然界の微生物の仕
事を機械で完全に代行するという代物だそうです。

ちなみに、この記事。毎週火曜日の夕刊にある「みんなの科学」というコーナーで、かなり
濃い内容を毎週掲載しているものです。春くらいでしたか。広末と筑紫哲也がやってた、4
時間ぶちぬきの番組がありましたよね。各分野の最先端技術を紹介するとか何とかという。
あれの内容は、見た限り全てこのコーナーの記事からの抜粋だったように思います。きっと、
毎日新聞(TBS?)には科学好きなスタッフが何人かいるに違いない・・・・


桑衝去場 題名:六ヶ所村っていったい? 投稿日 : 99年7月8日<木>01時59分

>「酸素再生装置」
やっぱり機械任せで化合させるんですね、「クロスボーン」で「木星帝国では水も空気も身の回りのモノ全ては合成して造っている」と言った意味のセリフが有りましたが、現代でも石油化学製品や薬品のように化学合成技術ってかなり凄いトコまで来てるようですから、コストを度外視すれば大抵のモノは合成して作れちゃうんですかね?


伊佐未 題名:ミニ地球 投稿日 : 99年7月8日<木>06時17分

おお凄い!
ちょっと探してみましたが、Lapizさんの言ったミニ地球の
湿式酸化装置ってこれっすか?
一応、下にアドレス書いときますね

  http://www.nhk.or.jp/sci/eye/lab/theme/space.html


桑衝去場 題名:やるな!日本放送協会(笑) 投稿日 : 99年7月8日<木>22時27分

伊佐未さん&lapizさん
>なるほど。「NHK」のページですか(^^;
>結構このページは今後も注目かも。いろいろな科学系トピックがあって。
私も覗いてきました、写真だけ見ると何か「お料理教室」みたいですが(笑)
凄いですね、これなら以前F・M・バーチさんが仰っていた「窒素」の問題もクリア出来そうですね。

NHKスペシャルなんかでも秀逸なシリーズが結構あるし、民放と違って広末とかタケシのような客寄せタレントに頼らなくても、コノ手の科学番組を大真面目に作ってくれるから情報源としては貴重ですよね。


虎ノイ 題名:地球連邦の真の姿? 投稿日 : 99年7月9日<金>19時12分

>「窒素」の問題もクリア出来そうですね。
残念ながら,窒素の事が問題になっているのは
「月には窒素原子を含有する物質が,ほとんど存在しない。」からなのです。
これを地球圏で解決する化学的な技術は存在しません。
(太陽よりも強力な核融合炉があれば,元素を作りだすことも出来ますが,
 ガンダムの世界観からは逸脱してしまいます。)
地道に彗星のような天体を集めるか,地球の大気から汲み上げるか,
いずれかしか,方法が無いと思います。


nikku 題名:窒素 投稿日 : 99年7月9日<金>23時31分

お久です。

ちょっと下品な話になるんですが、地球から宇宙に出ていく人がトイレを我慢するってのどうです?移住する人が(体内に)持っていく分ではたいした量にはならないでしょうけど、仕事とかで地球を行き来する人が、地球では我慢して宇宙でしっかり出す。往来が頻繁なほど確実に増えていきます。直接窒素を持っていくのと同じことなんですけど、直接持っていくのより手間がかかりませんよね(^^;)。一回のウ○コの窒素量っていったいどれくらいでしょ?
何か汚くてすみません。


lapiz 投稿日 : 99年7月10日<土>07時34分

>残念ながら,窒素の事が問題になっているのは
>「月には窒素原子を含有する物質が,ほとんど存在しない。」からなのです。
>これを地球圏で解決する化学的な技術は存在しません。

え?だから“「湿式酸化装置」で生ゴミや排泄物などの有機物を、窒素や酸素など
の無機物に分解処理する”で、それが解決できると言うことなのでは? 桑衝さん
が仰ったのは。まぁ、量的にそれでは難しいのかもしれませんけど。


虎ノイ 題名:窒素の問題 投稿日 : 99年7月10日<土>10時37分

窒素ガスの重さは1気圧(0度C)で,1.25g/リットルあります。
コロニーの大きさは御存知の通り,6.5kmX30kmで,内容積は995立方km。
うち,80%が窒素ガスとして,約800立方kmが必要となります。

単純計算で,島3号コロニー1個につき,10億トン(!)の窒素ガスが必要となる話です。
(残り20%は酸素で,これの重さは2億8千万トン分必要ですが,これは月の鉱物から
抽出可能なものです。)

確かにリサイクルは可能でしょうが,最初に必要な量をどこから確保するか?が,
問題なわけです。


lapiz 題名:窒素を生むために 投稿日 : 99年7月10日<土>16時25分

地球人類総力を挙げてウ○コを・・・・って、汚い話ですが、それしかなかったりして(;^_^A
むぅ、となると、やはり地球から採取たほうがいいのでしょうかね。
それでも、もしかして足りない?とり過ぎて、地球の窒素濃度が下がるとか?それはないか。


F・M・バーチ 題名:帰ってきました〜! 投稿日 : 99年7月10日<土>17時50分

早速ですが、nikkuさん。
 人間が体外に排せつする物質の内、純粋に窒素化合物と『断言』できる量(つまり、体に取り込んだ植物繊維など)は、約三割程度でしかありません。残りは体内に存在する腸内細菌などの死骸なのです(実際には、これらの物質にも窒素は含まれていますが、ここでは便宜上区別します)
 よく、昔の話として人糞を『肥料』として使用する(実は現在でも『焼き畑』とならんで、もっともポピュラーな方法なのですが)シーンがありますが、この方法で重要なのは、人糞をしばらく『ねかせる』ことによって、空気中の窒素を吸収させることなのです。そのままの状態では、窒素の量が少なすぎて『肥料』としては役にたたないのです。
 ですから、単位あたりの量もそうなのですが、この方法は実質的に半世紀で100億の移民を行っている宇宙世紀世界には、少々そぐわない方法であるといえるでしょう。

 虎ノイさんへ。
 その通りです。私が言いたかったことも、まさにそれなのです。

>単純計算で、島3号コロニー1個につき、10億トン(!)の窒素ガスが
必要となる話です。
 ちなみに『地球と似た生体系』を作りたい場合は、この数倍の量が必要になります。
 月の『砂』を『土』に代えるために(『土』の生成についても問題はあるのですが、これはいずれ『別の話』として)大量の窒素化合物が『固体』の形で必要ですし(たとえ穀物の生産が水耕栽培だったとしても、『肥料』として必要なことには変わりありません)、生物の再生産(ぶっちゃけていえば『子供をつくる』ことです)にも窒素は必要不可欠です。これらの形で存在している量を合計すれば、最低でも空気中に存在する量の数倍は必要になるわけなのです。

lapizさんへ。
 『難しい』というレベルの問題ではありません。なにもない場所に人間が『社会』を営むことができるようにするためには、想像を絶する『初期投資』が必要になるのです。
 少し話題になっている、NHKのページにでている新田教授ですが、おそらくは『湿式液化装置』で目標としているのは、初期投資が終了したあとの『維持』に必要な閉鎖系循環サイクルの構築であるはずです。これは、氏の木部勢至朗氏との共書『宇宙で生きる』(テクノライフ選書(オーム社)、定価1500円)を読めば理解できると思います。  


lapiz 題名:うぴょ 投稿日 : 99年7月10日<土>21時10分

なるほど。やはり「維持」としての技術だったんですね。
となると、「初期投資」としての窒素は、やはりかなりの時間をかけて地球で採取・蓄積
するしかないのでしょうか。ま、どんな方法にせよ、膨大な時間とお金がかかるのですね。
そして、そのお金は、皆の血税から賄われると言うハナシですな。


桑衝去場 題名:窒素の事 投稿日 : 99年7月10日<土>23時45分

lapizさんへ
>え?だから“「湿式酸化装置」で生ゴミや排泄物などの有機物を、窒素や酸素などの
>無機物に分解処理する”で、それが解決できると言うことなのでは?
私も、そう言うことが言いたかったんですが肝心な事をすっかり忘れてましたね(^^;)

nikkuさんへ
あ、お久しぶりですね(^^)

>ちょっと下品な話になるんですが、
個人的には、コノ手のネタって結構好きなんですが(笑)
私もすっかり忘れてましたが、地球自体が完全な閉鎖系であって此処から全てのスペースコロニーを充たすだけの窒素を持ち出せば地球の方が窒素不足になりかねませんよね、やっぱり虎ノイさんとF・M・バーチさんが解説して下さった通り、最初の窒素を何処から持ってくるかというのが最大の問題になりますね、(;^^;)


虎ノイ 題名:地球の大気の量は 投稿日 : 99年7月11日<日>23時39分

地球の(赤道)半径は約6,378km,海も陸も含めた全部の面積は5億平方km以上。
大気の厚さは上空に上がるほど薄くなっちゃうので,普通に呼吸できる(0.7気圧程度)
レベルの標高3kmまでとすると,大気の総量は15億立方km。
(あくまで,3km以下の部分の量です。なお,山の容積は無視しています,念のため。)
コロニー(島3号)1個に必要な窒素の量は約800立方km,土壌の改良と植物資源用に
その5倍が必要だとしても,4,000立方km,仮に1,000個のコロニーを造るとすると,
400万立方km,上で算出した地球の大気量の0.27%。

うーーん,どうなんだろう?
これって,地球の環境には大した事の無い量?それとも,深刻な環境破壊をもたらす数値?
それとも,なんか試算が誤っているのか?


F・M・バーチ 題名:『地球連邦』って、中国語ではなんて書くんだろう?
投稿日 : 99年7月12日<月>05時05分

窒素について。
>これって、地球の環境には大した事の無い量?それとも、深刻な環境破壊をもたらす数値? 

 やってみたことがないので、はっきりと断言はできないのですが(そりゃそうだ)、少なくとも0.1%程度の変化が大気の構成に発生した場合、何等かの事態が起こることだけはまちがいないでしょう。
 現在、半ば反狂乱になって叫ばれている『二酸化炭素』の増加問題ですが、これにしても大気内の濃度が(たったの)0.01%単位で変化することに対して言われていることなのです。新聞では100ppm単位で掲載されているために誤解をしてしまいやすいのですが(物事を大げさに表記するのは報道・広告の常です。『タウリン1g』とするよりも『タウリン1000mg』のほうが多く思えるのと同じ事です)、大気全体でみた場合、その程度のものでしかありません(もっとも、もとの濃度が0.03%しかないので、大問題といえば大問題なのですが)
 窒素に関していえば、地球にはさまざまな形で『予備』が存在していますから、長期的(まぁ、だいたい10〜100万年単位でしょうか(笑))にみれば、この程度の変動はどうということがないと思えます。ただし、ここで問題にしているのは『10年単位』ですから(この程度の時間は、自然界の循環サイクルからみれば文字通り『一瞬』以下です)、これほどの『劇的な』変化が発生した場合、何かが起こることだけは確実でしょう。


宇宙世紀の科学技術へ戻る