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宇宙世紀の預言者? 「ジオン・ズム・ダイクン」


ジオン共和国の創設者であり、初代大統領であった彼は、宇宙世紀を語る上で、最も重要な人物であるにも関わらず、その出身や経歴は、ほとんど資料として残っておらず、「コントリズム」、「ジオニズム」と言った彼の思想も、いくつかの資料で断片的に語られているだけで、その思想体系がどの様なモノであったかも判然としないのが現状でありますが、 仮に彼がユダヤ系であり、「コントリズム」がユダヤ思想を背景にしたものであると考えた場合、  「コントリズム」及び、彼の考える『ニュータイプ』とはどの様なモノであったかについて、私なりに推察して見たいと思います。

「ジオン」という名前について、

 昨年オフィシャルで「ジオン公国」の英語表記が「ZION」から「ZEON」に変更され、 色々と問題になりましたが、「ジオン」とは、元々彼の個人名な訳ですから、「ZION」と表記しても、なんら差し支え無いとは思いますが(^^;)
(注、最近もまた色々と話題になっているようなので追記、コレは、あくまでも私個人の見解であります。)

 確かに「ZION」と書いた場合、英語では「ズァイオン」と読み、邦語訳は「シオン」になるのですが、 仮に「ジオン・ズム・ダイクン」が英語で自己紹介したとしても、「I am ズァイオン」と言いはしないでしょう、 おそらく彼はヘブライ語読みの「ツィオン」と名乗った事と思います。 (実際に、ユダヤ系の名前で「ツィオン」というはあります)

 このヘブライ語の“ツィオン”と言うのは、イスラエルの首都エルサレム市旧市街周辺の丘陵地帯の別称で、旧約聖書「列王記」によれば、紀元前1000年頃イスラエル王国第二代王「ダビデ」が、先住民“エブス人”の城塞都市を攻め落とし、イスラエル王国の首都と定めた後、 その息子「ソロモン王」が荘厳な神殿を築き、「モーセ」が神から与えられたとされる“十戒”が刻まれた石版(アーク)を安置して以来、 ユダヤ民族の信仰の中心となった他、キリストが処刑された場所でもあり、イスラム教ではマホメットが昇天した地とされており、 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の共通の聖地になっています。 

 ところで、件の表記変更の原因になった、問題の“シオニズム”とは、どの様なモノかと言うと、ユダヤ民族の国、イスラエル王国が有った、シオンの地パレスチナ地方は、西は紅海、南はシナイ半島と、ヨーロッパ、アフリカ大陸間交通の要所であったが故に、ソロモン大王時代には最大の栄華を誇りますが、その後、バビロニアやアッシリアなど多くの強国に、度々、占領支配される歴史を繰り返し、キリストが生きていた紀元0年頃は、ローマ帝国の支配下にあったのですが、 AD.70年、遂にローマ軍によって滅ぼされ、歴史から完全に消え去ってしまいます。
 その後、ユダヤ民族は各地に離散し、祖国無き流浪の民となって以来、約2千年に渡り、他民族に溶け込むこと無く、独自の文化を頑なに守り続けるのですが、 1870年代のヨーロッパ諸国に於いて起ったアンチセミティズム(反ユダヤ主義)により、各地で様々な迫害が始まります、(これの最たるモノが、後年のナチスによるホロコースト「アウシュビツッ他の強制収容所での6百万人の大虐殺」ですね)
 当時オーストリアの新聞記者であった「テオドール・ヘルツェル」と言う人物が、この事を危惧し、各地でバラバラだったユダヤ人社会をまとめ上げて、シオンの地にユダヤ人の独立国家を作る為の運動を興します。
 丁度、「ジオン・ダイクン」が連邦政府の圧制に耐えかねたスペースノイド達の、独立権を主張した様にですね。
 このユダヤ民族が、“シオンの地”を目指した独立国家建国運動を「シオニズム」と言います。
(個人的には、この「テオドール・ヘルツェル」こそ「ジオン・ダイクン」のモデルではないか?と考えていおります)

「エレズム」のこと 

 宇宙世紀では「コントリズム」以前に、スペースノイド達が、地球を聖地とする『エレズム』という思想が有りましたが、このエレズムとは、ヘブライ語で「大地、土地、国家」を意味する『エレツ』を語源とした「エレツイズム」が詰まった言葉ではではいか?と思います。
 
(実は、この『エレズム』という名称こそ、私が「ジオニズム」とユダヤ思想を結びつける、きっかけになった言葉なのですが) 
UC.52年 ジオン・ダイクンが、コントリズムの実践の為サイド3に移住しますが、何の後ろ盾も無しに、僅か6年間でジオン共和国を樹立したとは考えにくいですから、 彼が移住する以前に、エレズムという思想を生む土壌となった、何らかのユダヤ系コミュニティーが、サイド3及び宇宙移民者の中に存在したのではないでしょうか?
 例えば、コロニーの建設は、政府とコロニー公社が管理運営したとしても、実際の施工は民間業者が請け負ったでしょうから、ここにユダヤ資本の建設ブローカーが仲介していた可能性は十分に考えられると思います。
コントリズム運動は、そういったユダヤ系資本家のバックアップを受けて、発展して行ったのでは無いでしょうか?

「ジオン語」のこと

では何故、ヘブライ語などというマイナーな言語が、ジオン語の母体になり得るのか? 
コレについては、いくつかの理由が考えられますが、
 まず、宇宙移民者達は、みなバラバラな地方から来ているので、中には満足に連邦公用語を話せない者も居たかもしれません、
(「閃ハサ」の記述で、「ハイジャックの一人は、辿々しい英語で答えた」と言う下りが有りますので、UC.0104時でも、連邦公用語と思われる英語を満足に話せない者が居たくらいですから)
 そこで一環した語学教育が必要になってくるのですが、 前述したように、イスラエルという国は世界中に離散したユダヤ人が帰還して、再建国した国家ですから、帰還民の為の語学教育システムが確立されており、
 「ウルパン」と呼ばれる語学学校で、半年から一年勉強すれば、日常会話に支障が無い程度の語学は習得できるのです。
(ちなみに私も、そう言った機関で勉強したんですけどね)
ジオン共和国でも、先に述べた様なユダヤ系コミュニティーを中心に、この様な語学教育システムのノウハウを応用して、生活言語の統一を計ったのではないでしょうか? 

もう一つは、旧大戦中の東南アジア諸国における日本語教育や、アイルランドでの英語教育による、ケルト文化の排斥の様な、思想統制としての言語教育です。

 人間がモノを考えるとき、喜怒哀楽のような本能的感情はさておき、思考を行う場合、日本人は当然、日本語で考え、アメリカ人は英語でモノを考えます。(当たり前といえば、当たり前の話ですが)
 その為、民族や言語による思考方法の違いが出てくるわけで、民族紛争の原因とも成るわけですが、
 宇宙世紀のスペースコロニーというのは、雑多な民族の入り交じる混血世界ですから、民族のアイデンティティーと言うモノが存在し得ない為、 ジオン共和国が一つの共同体としてのアイデンティティーを確立する為に“ジオニズム”というイデオロギーが有ったことは言うまでもないですが、独立国家とする為には、更に強い共同意識を持たせる必要があったのではないでしょうか?

 例えば、“ジオン人”というカテゴリーは有っても、“連邦人”という言い方はしないですよね? 
サイド3の民衆を“ジオン人”たらしめる為に、ヘブライ語を基にした、ジオン語と言う統一言語を普及させたのだと考えております。
 それならば、別にヘブライ語でなく、別の言葉でも良い様にも思えますが、例えば、現代心理学の基礎を築いた「ジグムント・フロイト」もユダヤ系でしたが、彼の弟子は「ユング」を除き全てユダヤ系であったそうです。 
 「フロイト」といえば、夢判断という心理分析方法が有名ですが、この分析方法の発想は、旧約聖書「創世記」の記述にある、族長「ヤコブ」の息子「ヨセフ」が、エジプトのファラオが見た不思議な夢の謎を解き明かし、エジプトを飢饉から救ったという故事と、後のユダヤ教学者達が、この記述を研究した資料
(もちろんヘブライ語で書かれている)が下地になってると言われています。

 実際に言語や思想を研究する上では、翻訳した文章では伝わり難い微妙なニュアンスと言うのがありますので、この辺りの思考方法が、ユダヤ教徒以外には伝わりにくかったようです。
 同様に、ユダヤ人であった「ジオン・ダイクン」の思想も、こう云ったヘブライ思想を背景にしたモノであったとすれば、彼の思想を正しく理解するためには、ヘブライ語という言語の習得が不可欠であった思われます。

更に、彼の思想“ジオニズム”は、「全人類が共感できるニュータイプとなる」という途方もないモノです。
 “この全人類が共感できる”というのは、歴史上の数多の思想家、宗教家達が目指し、誰一人として
(釈迦やキリストですら)なし得なかった大偉業ですから、超理想的なものだったと言わざるをえません、

 確かに、ニュータイプの発生というのは、人類が宇宙という新しい環境を得、重力から解き放たれた事に起因しているのは間違いないようですが、
その後の歴史を見るに、宇宙世紀が150年代になっても、全人類がニュータイプに成ることは無く、単に宇宙で生活するダケでは、人はニュータイプに進化しえないようです。

 あの「クエス・パラヤ」でさえ「インドのクリスチーナの下で修行した」と語っており、ニュータイプに成るためには、何らかの訓練が必要であるように思われます。(詳しくは別考で触れますのでココでは割愛しますが)
 故に、「ジオン・ダイクンは」“全人類をニュータイプにする”という、彼の思想を正しく伝えるために「ヘブライ語」による教育を行ったのでは無いでしょうか?

しかし、当のスペースノイド達にとっては、そんな夢のような理想論よりも、経済や生活の安定という、日常の時事の方が重要な問題であり、「ジオン・ダイクン」の進める平和的独立運動よりも、「実力行使を」と唱える者が現れ、ザビ家が台頭して民衆の支持を受けたのでは無いでしょうか?

以後、ヘブライ語教育は廃れ年輩者達が記憶している程度で、一部の単語や音韻をジオン訛りとして残すにとどまり、雅語的な位置づけになっていったのかもしれません。

その後サイド3はザビ家の独裁と戦乱への道を歩んで行った訳ですが、

 紀元30年代、ローマの支配下にあったイスラエル王国に「キリスト」が現れ、初めのうちは、民衆を解放する救世主、「ユダヤの王」として迎え入れられたにも関わらず、その宗教思想が大衆には理解されること無く、最後は弟子であるユダの裏切りによって、十字架に掛けられたように、(ジオン・ダイクンも信奉者の一人であった、デギン・ザビの裏切りによって暗殺された、という説が有力)キリストの死後、ローマによって滅亡させられたイスラエル王国と、ジオン公国が重なって見えるのは、私だけでしょうか? ......私だけでしょうね 多分、(^^;)

 

読んで頂いた方へ

長々と稚拙な文章を書き綴りましたが、最後までお付き合い頂いて、誠に有り難うございます。m(_ _)m
これは、あくまでも元宗教家の色眼鏡で見た「ジオン・ズム・ダイクン像」ですので、
あまり、真に受けないようにして下さいね。

余所でコノ話をして笑われても、当方は責任を負いかねますので、ご注意下さいませ。(^^;)


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