UC100年問題による障害頻発!!
昨年末より懸念されていた宇宙世紀100年問題に関連したコンピュータの障害が 多発し,市中で混乱が生じている。 サイド6パルダ市環境課では,市民の酸素税を徴税課に送達したところ, 市民一人当たりの年間酸素消費量約275Kgを1日分の1Kg弱で計算していた事が判明し, 送付済の徴税通知書を急遽回収するなどの措置を執った。 また,サイド3ズム市年金課では,1年戦争の戦没者遺族年金の計算において, 一年戦争に従軍した兵士のうち,12月に戦地にあった者の年金額が正しく計算されず, 他の期間の従軍期間から12月の従軍日間を減ずるといった誤りがあった事が判明し, 市当局は遺族に陳謝すると共に訂正を発表した。 さらに,連邦政府から公式の発表が無いため詳しい状況は不明であるが,連邦軍の コンピュータにも少なからざる異常が発生しているとの情報もあり,UC100年問題 (俗に言うセンチュリー問題)は,予断を許さない状況である。 UC100年問題とは,一年戦争勃発時のジオン公国軍のブリティッシュ作戦に端を発する。 すなわち,コロニーの落着により地球の自転が1時間当たり1.2秒も加速された事による。 これにより,地球の自転は早まり,1日が28.8秒短くなったわけであるが,連邦軍からの 被害の発表が遅れたこと,及びその事実を知ったジオン公国がいち早く作った新たな暦 (400年を1周期とするグレゴリオ暦に対して700年を1周期とする暦=仮称ギレン暦)を 認めず,旧来の暦による表記を継続した事により,混乱はさらに拍車がかかった。 続く0083年のコロニー落下事件による被害については,未だその被害の全体像も公表 されずに至っており,0088年のダブリン,0093年のラサ等,同様の事件が相次ぎ, 現在では地球の自転速度を基にした暦を使い続ける事への不安と不審がスペースノイドの 間では広まっている。 事実,0080年代の後半には各サイド毎にギレン暦を採用をしたり,あるいは独自の暦を 採用したりして対応していた。さらに,ネオ・ジオン軍が占領地にアクシズ暦(ギレン暦を 多少修正したものであるが,ダブリンへのコロニー落下により,自ら用を為さなくなった)を 強要したりした結果,混迷を極めていたのである。 これを,一挙に解決すべく,UC100年を機に新しい暦に統一しようというのが連邦政府の もくろみであったが,事態への取り組みの開始が遅れ,対応できない箇所での問題点が 噴出した形となった,と言えるであろう。