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「キシリアの誤算」

ブリティッシュ作戦・ルウム戦役の大勝利で,ジオンの勝利はほぼ確定した。
しかし,キシリアには不満があった。
兄のギレンに対抗するために設立した突撃機動軍が目立った活躍をしなかった
からである。確かに黒い三連星がレビル将軍を捕虜にした。
しかし,赤い彗星,青き巨星,ソロモンの白狼,そしてなにより自らが陣頭に
立って戦ったドズルの宇宙攻撃軍の戦果ばかりが目立った。
その事で,ドズルを擁するギレンの発言力が公国内で高まったのである。
彼女の指揮下のガルマが,大きな戦果を挙げていれば,公王の覚えもめでたく,
キシリアの発言力も高まったものをと,今さら悔やんでも仕方がない。

だが,彼女はふと考えた。
「もし,戦いが継続したらどうなるだろう?」
今のジオンには,ルナ2を墜とす戦力は無い。この戦争のために備蓄した資源
も払底している。ならば,地球に侵攻してその資源を奪取するしかない。
それに,ドズルの宇宙攻撃軍にもMSはあるが,彼が主力と考えているのは,
あくまで宇宙戦艦である。地上侵攻作戦は彼女の突撃機動軍が主体となって
行う事になるはず。そして,地球攻撃の指揮官にガルマを推薦すれば,地上で
の戦果はいずれも彼の物になる。ナニ,多少甘いところがあるが,周りの参謀
に優秀な人材を配しておけば,今の連邦軍を下すのは造作もないだろう。
それに,父はあの子には甘いから,安全を確保しておけば反対はすまい。
「さて,連邦との交渉を決裂させるには,どうしようか?」


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