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”ローマ戦役編”について

”ローマ戦役編”は,”アキロニア戦記編”があまりにもだらだらと続いた
反省から,全6話で完結させようと決意して始めた話である。
(読めばお判りのように,結局失敗してしまったが)
また,第一話が投稿された頃にHP「REWLOOLA」が始まっている事が判る。
”赤い狐”シリーズは時代を写す鏡なのか?(自画自賛)


赤い狐・外伝(ローマ戦役編)第1/6話(予定)

連邦軍第34艦隊は暗礁宙域を遁走する公国軍のZKに翻弄されつつあった。
2隻の戦艦,4隻の巡洋艦からなる有力な機動艦隊であり,10日前の開戦
直後の奇襲攻撃にこそ遅れをとったものの,たかがZKの1機や2機など,
何ほどの物があろうかと,誰もがまだ考えていた。
確かに攻撃してくれば,その程度の敵を迎撃するのにさほどの困難は生じは
しなかったはずである。しかし暗礁宙域で逃げ回るZKを捕捉し,撃滅する
ことは不可能といってよかった。
偵察・索敵に出したFF−S3戦闘攻撃機は既に推進剤の欠乏により戦線を
脱落していた。いや,それどころか,このままZKとの追いかけっこが続け
ば,第34艦隊そのものも推進剤の不足に悩まされる事になるはずである。

「副長の予言された通りになってしまいましたね。」
連邦軍巡洋艦”ケーニヒグレーツ”の艦橋で航海長が副長のK・ゴトー少佐
に呟いた。艦長・ハッピーランド中佐は旗艦に出かけて不在であったのだ。
「別に予言したわけじゃないよ。ただ,狭い路地裏に逃げ込んだ敵の歩兵を
戦車の集団で追いかけ回しても捕まえられるわけはないからね。」
「しかし,この宙域の敵を排除するようにというのが宇宙艦隊司令部からの
命令でしょう?無視するわけにもいかないのでは?」
「司令部も捕まえろとは言ってないよ。逃げられたと思うから腹が立つんだ。
敵のZKは勝ち目が無いと逃げた。我々は堂々と『敵軍を追い払った。』と
報告すれば良かったんだよ。」
「まぁ,艦隊司令も人の子。何か手柄が欲しいんでしょうね。それにしても,
本艦は機関部が故障して,追撃戦に加われなくて幸い,おっと,失言。」
「そうだね,同じ所をぐるぐる三回も廻らなくても済んだ。旗艦のマカロフ
なんか,数えていたら4回も廻って行ったようだね。
それはそうと,そろそろ機関部の故障原因が判明する予定時刻だな。」
「そうでえね。いくら慎重なサカキ大尉でもそろそろ,判るでしょうね。」
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「ねえ,新しい話になってるけど,これって『ラグランジュ第1ポイント』
にあるコロニー群をめぐる1月15日の戦いじゃないの?」
「ご名答。しかも,連邦軍サイドに視点を移したんだ。」
「架空の戦後を書くんじゃ無かったの?」
「いや,実はあの後開き直って,準備を始めたらキャラクターが全然足りな
いことに気づいたんだ。歴史的に著名な人物以外は原作からキャラを持って
こない事にしてるから,新展開にはどうしても足りない。それで新しいキャラ
を何人か作ったんだけど,やっぱりいきなり出すより,なんか外伝で活躍を
させてお披露目をしておいた方がいいかな?と,思ってね。」
「で,連邦サイドの視点にしたのは?」
「いや,ライバルキャラが居ないと赤い狐の一人勝ちになってしまうんだ。
そこで,連邦にも人材を配してストーリーを盛り上げようと。」
「ところで,ローマ戦役って?」
「それは,公国訛りだ。」
「また,好い加減な造語というわけね。桑衝去場さんみたいに真面目に語学
を研究している人もいるというのに。」
「いや,あれはあれでトンデモな説だよ。」


赤い狐・外伝(ローマ戦役編)第2/6話(予定)

連邦軍巡洋艦”ケーニッヒグレーツ”の艦橋。通信担当下士官が振り向いて
ゴトー少佐に呼びかけた。
「副長。機関室から報告です。そちらに回します。どうぞ。」
「やぁ,機関長。どうかな?機関の調子は。」
「何言ってるんですか?当艦のエンジンは反応炉,推進機共に何処にも異常
は有りません。これは私の名誉に賭けて誓いますが,機関部に異常はありま
せん。『加速が不能になる』はずは無いんです。」
「そうだろうね。ブリッジのモニターでも確認できるよ。」
「これは私の専門外なんですが,どうも機関部のコンピュータには『加速』
の指示が届いていないようなんです。ブリッジの操縦系と機関部の情報系と
のリンクを調査した方が良いと思われますが?」
「そうだな,そっちを調査してみる必要が有るみたいだな。ところで,点検
のために『炉』は温度を下げているかな?」
「いえ,敵の姿は見えませんが,一応戦場です。ビーム砲に撃力を充填する
のに必要な出力は確保しております。」
「それは助かる。どうも今までの敵のパターンから読むと,そろそろ,次の
襲撃が始まる時間だ。今まで核弾頭を使って来なかったから助かってるが,
次もそうだと,鷹をくくるわけにはいかないからね。」
「しかし,身動きがとれないのでは?」
「なに,ビーム砲が使えれば良い。敵が接近出来ない工夫はしてあるから。」
「なら良いですが,とにかく操縦系を直して下さい。エンジンは完璧なのに
漂流中なんて,情けないったら,ありゃしない!!プツン………」

「あらら,怒ってるよ。」
「副長も人が悪いですね。推進剤を温存するために,わざと故障を装ってる
のを教えてあげればいいのに。」
「そんな事,口にしちゃ駄目じゃない。本艦は本当に原因不明の故障中って
事になってるんだから。あー,電子技官のシヴァ准尉を呼んでくれるかな。」
「はい,『シヴァ准尉。至急ブリッジに』」
「なにも,シヴァ君を呼ぶまでも無いだろう?コネクターにグリスを塗った
だけなんだから。」
「いや,他にもちょっと頼みたい事があってね。ところで,僕の予想では,
そろそろZKが来るよ。迎撃態勢を整えてくれ!」
「了解。『全艦,戦闘態勢に』『各員,各個に対衝撃固縛!』
『各砲座,撃力充填開始!』『ミサイル弾倉ロック解除!』
『予備要員は双眼鏡で対空監視を!』こんなところでしょうかね,副長?」
「まぁ,そんなとこだね。一応合格。」
「まったく,忌々しいですね。このミンコフスキー粒子とかいう奴は。電波
が使えれば,ZKなんか全然怖くもなんともないのに。」
「航海長。それは違うよ。確かその粒子の名前はミノ……」
しかし,対空監視員の報告がその言葉をさえぎった。

『敵発見!!ZKです。しかも例の『赤い奴』が居ます。今度は4機です。』
「一体,敵は何機居るんでしょう?最初は1機しか居なかったのに,接敵の
たびに敵の機数は増えている。」
「多分,最初から,10機以上居たんだろうね。それが変わりばんこに艦隊
に接敵して,我々を翻弄していたんだ。おかげで艦隊主力はへとへとだよ。」
「『兎ともぐら』というわけですね。隕石の陰に隠れると,次の機体が別の
方向に現れて,の繰り返し。敵はかなりの策士。」
「いや,ペテン師だよ。こんな術策にハマる方がどうかしてると思うよ。
来るぞ!!『全艦,予定の宙域に向けて発砲!!』『ミサイル,閃光弾頭で
発射,とにかく敵の視力を奪え!!』
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「えーと,念のために言っておきますが,ここで登場している『赤い奴』は,
『5隻の戦艦を沈めた英雄』では無くて,『頭に葉っぱを載せた狐の図柄が
パーソナル・マーク』の『06T(復座練習機)』です。」
「そんなの,今更言わなくっても良いんじゃないの?」
「いや,意外と『黒い狐』とか『アキロニア戦記編』から読み始めた人には
判らないかもしれないからさ。」
「途中から読んで判るのかしら?」
「さぁ?でも,よほど知りたい情報があるのならともかく掲示板の過去ログ
を遡って読みに行く人は少ないだろうからね。」
「そうね,あんまり見に行かれたくない事情もあるわね。」
「ドキッ!」
「まぁ,恥だらけの過去ログ。なまじ何百件も記録が残ってるだけに……」
「だから,あんまり古い話を蒸し返さないでくれよ。」


赤い狐・外伝(ローマ戦役編)第3/6話(予定)

強力な火線で進路を遮る”ケーニッヒグレーツ”を避けるようにして,
ZKのシュバルムは艦隊の中央に迫る。
いや,これは当然の目標であろう。
『赤い奴』は旗艦”マカロフ”に接近し,バズーカを放つ。

しかし,誰もが予想していた強力な核の閃光は無かった。
少し離れた位置から随伴の機体も別の艦に向け,巨大なバズーカ砲を撃つ。
これも,発射されたのは対艦用の徹甲弾ですらなく,散弾であった。
どの艦艇も被弾こそしたが致命的な被害は無かった。だが,電子観測機材や,
対空砲座などの強固な装甲に鎧われていない箇所の被害は甚大であった。
そして,艦隊司令の逆上した頭を沸騰させるにも充分であった。

「全艦艇,追撃せよ!!」
の発光信号が発せられ,艦隊は旗艦を追って,ZKの逃げ去った方角へ加速
を開始した。

「まだ,”追いかけっこ”がし足りないのかねぇ?」
「副長,どうします?旗艦から『追随せよ』の命令が来てますが?」
「どうも,通信状態が良くないようだね。レーザー通信が受信不能だなんて。
ミサイル発射直後に,EMP弾頭が暴発でもしたのかねぇ。」
「判りました。通信は無視します。」

「シヴァ准尉です。遅くなりました。」
「戦闘中だったんだ,仕方がない。ところで,早速だがこういうシステムを
組んでみてもらえるかな?」
「はい,多分,2時間もあれば出来ると思いますが,これだけのプログラム
を動かそうとすると,コンピュータのかなりのメモリを使います。電子的な
索敵と攻撃支援プログラムの使用が不可能になりますが?」
「どのみち,レーダーは使えないからね。ミンコフスキー粒子のおかげで。」
「ミンコフスキー??」
「副長,それはもう無しにしてくださいよ。」

「あ,そうだ。サカキ大尉に操縦系の情報伝達トラブルは電子的な問題点を
シヴァ准尉が解決してくれたので,直ったって伝えといてね。」
「はーい。」

「で,副長。艦も直ったわけですが,これからどうするんです?まさか
今更艦隊を追跡してもしょうがないですし………。」
「一番近くの補給艦隊と合流しておこう。そこで待ってれば,艦隊とも合流
出来るはずだからね。」
「一番近くの補給艦隊ですね。現在位置を確認します。」
「あ,あんまり急がなくていいよ。シヴァ准尉の仕掛けが出来るのに2時間
はかかるはずだからね。」
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「ねぇ,EMP弾頭って何なの?」
「それは電子機器の働きを妨害したり,破壊したりする目的の弾頭だよ。」
「航海長さんが言うところの『ミンコフスキー粒子(笑)』みたいなもの
なのかしら?」
「ちょっと違うな。ミンコフスキー粒子(以下M粒子と略)は撒布したら,
かなり長時間その場所での電波使用が制限されるけれど,EMPの場合は
使った時の一瞬だけ,電子機器の使用制限の効果が現れるんだ。」
「やっぱり,M粒子の方が優れているのね。」
「優劣というものじゃないよ。EMPの場合はソフトキル(機器が使用中の
電子情報を破壊するもの)と他にハードキル(機器に使用されているLSI
などの電子部品を破壊するもの)の効果もあるからね。さすがに,M粒子に
こんな設定はないはずだ。」
「で,役にたったの?」
「多分無駄だったと思うよ。核爆発の際には強力なEMP効果が現れること
が判明しているんだ。」
「えって,それじゃあ?」
「核弾頭バズーカの使用を想定して設計された,06Cなどの機動兵器には
通用しなかったろうね。まぁ,至近距離でくらえば効果はあったかも。」
「レーザー通信が受信不能になる程度の効果というわけね。」


赤い狐・外伝(ローマ戦役編)第4/6話(予定)

旗艦から帰ってきた艦長・ハッピーランド中佐の機嫌はすこぶる悪かった。
自分の不在中に,ケーニッヒグレーツがZKの掃討戦に参加しなかった事を
艦隊司令にさんざんになじられたらしい。
しかし,ゴトー少佐の指揮に間違いは無く,機関の故障,通信の不備などの
悪条件にも負けずに艦隊との合流をはたしており,艦隊主力が推進剤の欠乏
により,ろくに身動きもとれない状態で補給艦と合流したのに対して,唯一
ケーニッヒグレーツのみが,即時戦闘可能な状態にあり,補給艦の護衛の任
についている事実は,彼の優秀さを示していた。
命令不服従を糾弾したくても,命令は実行不可能な状態であり,さらに命令
そのものを受信不能な状態でもあったので,それが出来るはずも無かった。

「まったく,けしからん連中だよ。ゴトー少佐。」
「はぁ,何がですか?」
「何がって,公国軍だよ。いったい我々を本気で攻撃する気があったのか,
無かったのか。どういうつもりなのか?」
ゴトー少佐は,さすがに「それも,判らないのですか」とは言えずに苦笑い
をして,
「まぁ,敵が何をやりたかった?を詮索するよりも,今後どう動くかを考え
た方が良いんじゃありませんかね。」
と,つい答えてしまう。
「判っておる。10分後に旗艦で作戦会議がある。それについて,これから
協議するのだ。」
「全艦艇の艦長が集まるのですか?」
「仕方が無いのだよ。例の『赤い奴』め,旗艦の通信アンテナを完全に壊し
おって,複数の艦との同時多重レーザー通信が不可能なのだ。とりあえず,
艦隊の補給が完了するまでには戻ってくる。」

そう言って,艦長・ハッピーランド中佐が艦を離れてから2時間後。

「補給作業ってなかなか終わりませんね。」
「というか,まだ全然始まってないよ。結構バラ弾食らってるから,バルブ
廻りやハッチ類を修理してからでないと,補給も無理じゃないのかな。」
「ほんと,忌々しい敵ですね。」

「おや,別の艦隊かな。発光信号が……『確認,第36艦隊です。』あいつ
らも,へとへとって感じだな。同じ敵にやられたのか?あの『赤い奴』に。」
「これは,非常にまずいことになっちゃったね。今,敵に襲われると大変な
事になっちゃうよ。こんな狭い宙域に2個艦隊と補給艦隊が集って,しかも
ろくに動けないんだから。」

悪い予感はあたった。
「敵艦隊発見!!G級戦艦1,重巡が3,軽巡が8,J級コルベットが6,
ZKは多数,20機以上はいます!!」

緑の巨人達は7個のシュバルムをきれいに決めて,接敵してくる。
「今さっきまでの奴らとは,動きがまるで違う。さっきの敵がモグラなら,
こいつらはまるで狼だ。教習パイロットとその教官ほどの差があるぞ。」
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「ねぇ質問,シュバルムって何?」
「ルフトヴァッフェ(ドイツ空軍)の航空機の4機編隊のことさ。ちなみ
に2機が組んだのが『ロッテ』で,この『ロッテ』が2組で『シュバルム』
というわけだ。」
「じゃあ,公国軍の編成は1個小隊が4機だったのね?」
「いや,通説としては,3機1個小隊が主流だね。ここで,4機編成を出し
ているのは,これが例外的なチーム編成だからだよ。」
「例外的というと?」
「『赤い狐』が率いているのは,教習中の未熟練パイロットだから,1個の
小隊の戦力を大きくしておかないと不利だからだね。というか,小隊は3機
編成だけど,襲撃の場合は自分も参加してるから,4機になるんだよ。」
「じゃぁ,中将閣下が率いているエースパイロットの方はどうなの?」
「そりゃあ,旗本部隊だから編成は自由自在だよ。部隊定員の充足率も他の
部隊には比較にならないくらい良いはずだしね。」
「そうかぁ,考えてみれば,あの中将閣下も公子様なのよね。」
「貴公子ってガラじゃ全然無いんだけどね。」


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