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”黒い狐”とは(投稿当時の背景とか)

”黒い狐”は”赤い狐”の外伝である。
”赤い狐”の投稿が続いていた頃に著作権者である会社から出された
メッセージ(オリジナルの小説をネット上で公開する事を許可しない。)
に反発して始めた物語である。その萌芽は”外伝2戦士達の友情”にある。
つまり,ガンダムに登場する固有名詞(一般的な物を除く)を一切使わず
に話を書くことが出来るか,という挑戦である。
なお,この話が始まる直前に,著作権対策として姑息な偽りの投稿をして
しまい,今も反省している。


黒い狐”第1話(不吉の黒騎士)

クリスマスイブのまさかの陥落,しかも宇宙攻撃軍総司令の戦死という事
実の前に要塞内の雰囲気は重かった。脱出してきた兵士達の扱いについて
も,問題は山積みであり,予備兵力として本国或いは月へ移送すべきなの
か,それともここで戦力として活用すべきか,判断は揺らいでいた。
「次に,シュライヒ大尉の処遇ですが?」
「黒騎士か!!」
会議室内とそこに繋がる端末機器の周りでどよめきが起こった。
06R2の機体を漆黒に塗った大尉の戦歴は大したもの(戦艦2隻を撃沈,
攻撃機以下撃墜多数)であったが,同時に出撃した僚機のほとんどが未帰
還という不吉なエースパイロットとしての方が有名であった。
ここで,再びそのジンクスを証明されても困ったものであるが,腕の良い
パイロットは一人でも欲しかったのが,現状であった。
「確か,脱出してきたパイロットの中に訓練生のグループがあったはず。
彼らの先導を勤めさせればよろしい。」
「訓練生の機体は最新の14Aですが,戦果が期待できるレベルでは・・」
「数になれば良い。連邦軍に対する囮,弾よけならば,そのジンクスとや
らが事実であろうと無かろうと,かまいはすまい。」

以上のような会議があったかどうか知らないが,シュライヒ大尉は学徒動
員の即席パイロット1個中隊を引き連れて,愛機06Rを駆り要塞の守備
にあった。

「ったく,何でこの私がガキどものお守りをしなきゃならんのだ。」
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「なんか,いきなりな新展開だけど,”赤い狐”はどうなったのよ。」
「私は今頃,カラチ基地を急襲しているはず,よってここにはいないはず。」
「時間が前後してるのね。」
「そう,S社対策に実名を極力使わない方針で,オリジナルキャラを大量
に準備したら,説明不足に陥ったので事前にお披露目をすることにした。」
「そういえば,前回のニュータイプの少年の話はどうなったのよ?」
「だから,そういう単語は使うなって。「ニュータイプは角川書店発行の
アニメ雑誌。って逃げておこう。」あの子の処遇はまだ決まっていない。」
「どうして?」
「前回のやり方があまりにも姑息過ぎて,自分で嫌気がさしたので止めた。
だいたい,掲示板に明らかな嘘を書き連ねるのも逆に問題だと気付いたし。
さらに,作品的に優れているとは思えないので忘れたい。設定は面白いと
思うけど,いまさらネタバレしているのに書いてどうする。(笑)」
「そうね,没になったネタを掲示板に曝してるのって苦痛よね。」
「だから,信じるんじゃない。こういう人がいて,混乱するかも知れない
ので変な設定(同人誌がどうの)をこじつけるのは止めました。」
「じゃあ,あれは全部嘘だったんだ。」
「まさか,信じる人が居るとは思わなかったのだよ。
読者の皆さん。混乱させて申し訳有りません。[442]〜[447]の
掲載内容のことはすっぱり忘れて,新しい赤い狐の物語をお楽しみ下さい。」
「だから,その赤い狐は何時になったら出て来るの?」
「ア・バオア・クーが片づいてからだね。」
「ア・バオア・クー??それって言って良いの?」
「どっかの塔の上に棲んでる変な妖怪の名前だよ。」(笑)


”黒い狐”第2話(狐の弟子達)

彼のぼやきが聞こえたはずは無いのだが,訓練生パイロットのリーダー格
アドラー曹長から通信が入る。
「大尉殿,我らは若輩ではありますが,連邦軍に一矢報いようとの熱情は
他の者に負けないと自負しております。また,大儀のために死ぬ覚悟も出
来ておるつもりです。」
「よせ,私と一緒になったからといって必ず死ぬと決まったものでもない。
それより武器はどうしたか。揃いもそろって1個中隊全員が90ミリマシ
ンガンとは?その機体(14A)ならビーム兵器が使えるはずだろう。
一体,補給部は何を考えているんだ。」
「いえ,これは我々が選択しました。弾倉の4/5はAHEAD弾です。
装甲の強力な連邦軍の機体には眼潰しにしかなりませんが,その隙に大尉
殿に仕留めて頂ければ,それなりの戦果が期待できるものと考えます。」
「なるほど,この私を突撃させて,お前達は援護に徹するというわけだな。
確かにうまい戦術だ。ひょっとすると,お前達の教官は”赤い狐”だな。」
「はい,その通りです。校長は我々に「とにかく死ぬな。生き残ればその
内ベテランになれる。そうなって初めて,後輩達のために戦え。」と教え
て下さいました。」
「よし,正論だ。射撃管制は3点射に固定しておけ。これからは我が隊を
”黒狐隊”と呼称する。だが,私一人では荷が勝ちすぎるな。誰か呼ぼう。」
黒騎士はかろうじて繋がる通信でコールサインを送る。
「カラスからタイガーへ,パーティを開く。至急参加されたし!!」
通信状態は不良ながらも返信が返る。
「ジジ・・,タイガー・・カラスへ・・,手負いの虎・・送る。」
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「意外と早く,赤い狐も名前だけは登場したわね。ということはやっぱり
当分本人は出て来ないのね。」
「だから,ここには居ないって言ってるだろ。今はカラチにいるんだ。」
「ところで,AHEAD弾って何?公国軍の秘密兵器なの?」
「それについては次回で解説する予定なので,今回はノーコメント。」
「ふーん,じゃあ”手負いの虎”っていうのは?」
「それこそ,次回だ。」
「次回次回って,これ何話ぐらいつづく予定なの?」
「それも次回に・・・・って,冗談だよ。第1章みたいに長くなる予定は
ないよ。それよりも,毎日1話のペースはさすがに無理だな。」
「読者の皆さんにも気長に待ってもらうしかないわね。ところでさぁ。」
「なんだ?」
「本人が出ていないからって,ちょっと格好良すぎない?」
「”赤い狐=虎威借狐皮被狼”という呪縛から離れたからかな。シリアス
だったら結構格好良いと思うぞ。」
「葉っぱを頭に載せた狐がパーソナルマークの真っ赤な06Tがぁ???」


”黒い狐”第3話(手負いの虎)

「白虎隊のイヌマ中尉である。」
白い虎を部隊マークに付けた09Rが一機近づいて来た。
よく見ると,その部隊マークには,もう既に戦闘による傷がついている。
昔,06Cに搭乗しての戦闘で被弾,エンブレムにも傷をつけた。以来彼
はその事を忘れないために,乗り換えた機体の全てに傷ついたエンブレム
を描き続け,手負いの虎と畏れられるようになったと言われている。

「これで縁起の悪い色の白と黒が揃ったわけだな。連邦軍にとっては,忌
まわしい記念日になることだろう。」
「シュライヒ大尉殿。何か,おもしろい策を考えつかれたようですね。」
「考えたのは私ではない。赤い狐の愛弟子たちだ。」
「それは楽しみです。詳しく聞かせて頂けますか。」

AHEAD弾頭は今世紀以前に開発された対空・対戦車兼用の弾頭である。
電波を使用する近接信管では無く,発射時に各弾頭に諸元を入力する時限
信管式であり,如何に濃厚な電子妨害下にあっても使用できる特徴を持つ。
対戦車用に使用可といっても強固な装甲を貫通・破壊出来るわけではなく,
砲塔上の比較的脆弱なセンサー類を破壊し,その索敵・照準能力を失わせ
るのが主目的であったのだ。元々は35ミリ口径のものであったが,90
ミリ砲の弾頭であれば,更に高威力が期待できた。強力な複合装甲を有す
る連邦軍の機体に対し,通常の徹甲弾で必中の一弾を放つ。それよりは
はるかに容易に命中弾幕を与えることが可能であり,初陣の兵が眼潰しを
食らわせるには充分な威力を有していた。

訓練生達が長距離から敵の機体の主に上半身を狙撃し,光学センサー類の
機能を消失させ,離脱しようとする機体を2機のベテランが始末した。
推進剤・弾薬類が底をつくという時,二人の戦果は合計42機にも達して
いた。無論,味方もまったく無事であったわけではない。
うかつに飛び出してしまった者。思わぬ位置の敵から攻撃を受けた者。
隠れていた岩塊に敵の艦砲が命中,その巻き添えとなった者もいた。
結局16機の訓練生のうち,9機しか残っておらず,被撃墜の者で脱出が
できたのは3人だけであった。
ただ,この生存率は当要塞の攻防戦においては驚異的に優秀な数値であり,
他の戦線では新型機のパイロットが慣れないビーム兵器の性能に頼りすぎ,
機関の出力低下によって倒されたり,なまじ有能なパイロットが敵機の装
甲に有効弾を与えようと必死になり,その焦りから思わぬミスを誘い撃墜
されるといった状況から,さらに悲劇的な結果が生じていた。事実イヌマ
中尉を除く白虎隊はこの日の戦闘で壊滅していた。
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「なんかシビアに話が進んでいくわね。白虎隊はネーミングからして全滅
しそうな名前だったけど,やっぱり意図してたの?」
「第1話の時は単に”虎の威を借る”表現をしただけだよ。ただ09系の
機体が何か袴をはいているように見えて,侍のイメージがあるのは昔から
云われている事だからね。」
「曰く「由緒正しい」のね。本編でも”スカート付き”とか呼ばれていた
わね。」
「際どい単語だなぁ。ところで,史実の白虎隊は全員が自決したらしいけ
ど全滅したわけじゃ無いそうだよ。」
「じゃあ,一人だけはカラス天狗に助けられたとか?」
「そこまで,はまってないって。第一,幕末にいたのは鞍馬天狗だよ。」


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