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”黒い狐”第4話(敗北)

「シュライヒ大尉殿。そろそろ潮時では無いでしょうか?」
「イヌマ中尉もそう思うか。先ほど我が軍の空母が沈んだらしいとの情報
が流れた。しかし,脱出するにしても現状では弾が足りん。」
「といっても,一度補給に戻ったら,今度は脱出こそ至難の業でしょう。」

二人が悩んで居るところへ,アドラー曹長から通信が入る。
「月から補給物資を搭載してきた輸送船が,敵の攻撃を受けて大破。漂流
中だそうです。船体に大きなダメージは受けていないものの,船橋が破壊
されて操舵不能に陥ったようです。これを捜索すれば,弾薬の補充も得ら
れるかも知れません。」
「それは好都合だ。しかし曹長,いったいどうやってその情報を手にいれ
たのかね?」
「実は要塞司令部の通信下士官と個人的な付き合いがありまして。」
「わかった。女の子だな。さすがに赤い狐の弟子だけのことはある。」
「大尉殿,急ぎませんと。」

漂流中の船を見つけ,船内から必要な品を運び出し,装備を調えた頃には,
戦闘の帰結は見え始めていた。
「公国軍の敗北を2度も見る羽目になるとはな。」
「大尉殿。これからどうします。」
「出来れば月に脱出したいが,難しいな。」
状況打開のアイディアを出したのは,またしてもアドラー曹長であった。
「今,思いついたのですが。こういうのはどうでしょうか?」
「ひそひそ・・ひそひそ・・。」(接触通話のため外部からは聴取不能)
「なるほど,うまくいくかもしれんな。」
「かなり,駄目で元々な状況ですし,やってみましょう。」
「よし,黒狐隊,集結せよ。」
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「この後,生き残りの全員が無事に月に脱出する事に成功し・・・いて!」
「いきなり終わらせないでよ。どうやって脱出したの?教えてよ。」
「そっそれは軍事機密に関する,いや,それよりもS社の著作権の問題で
ネット上では公開することが不可能な・・・。」
「ひょっとして,まだ考えて無いのね。さっさと考えなさーい!!」


”黒い狐”第5話(時間よ止まれ)

要塞攻防戦が終結しつつあった時,連邦軍巡洋艦ゲティスバーグは一隻の
輸送船が漂流しつつあるのを発見する。
「どうも,どこかに被弾しているようです。いかがしましょう。」
「戦いは我が軍の勝利だ。生存者がいるようなら,捕虜として取り扱う。」
「条約に則って,ですね。」
「そうだ。しかし油断はするなよ。」

ゲティスバーグの搭載機数は当初は6機であった。しかし2機は撃墜され,
さらに2機が大破,残った2機が輸送船の偵察に発進した。
「やれやれ,艦長も人使いが荒いぜ。戦闘から帰還したばかりなのに。」
「ぼやくなよ,入院したラップ中尉達の分も働かなきゃならんのだ。」
「はいはい。あ,見えた。こちらホークツゥ,目標を視認。接近します。」
「ホークワンも確認。なんだぁ,よくももったものだな。」

輸送船はコンテナ部分は穴だらけ,機関部も際どい位置に命中弾痕があり,
一番重要なことに船橋部は完全に破壊されていた。
しばらく観察していると,機関部に近い位置のハッチが開き,中から緑色
のガスと宇宙服姿の人間が脱出してくる。中にはかなりの数の兵士が乗船
していたらしく,何十人もの兵士と,さらには緊急脱出用の耐圧シュラフ
に入り,他の者に引っ張られて出てきた者もいる。
「こちら,ホークワン。輸送船は船橋と機関部に被弾,航行不能です。」

しかし,何故か母艦からの応答は無かった。
パイロットがふと粒子測定器に眼をやると,物凄い濃度である。これでは
僚機との通話さえ不可能だ。お互いが連絡をとろうと相手を確認しようと
すると,いきなりメインモニターがブラックアウトした。いや,視界を何
かが覆い隠している。
パイロットが気付いたときは手遅れであった。機体の周りには何人もの人
間が取り付き,モニターカメラにスプレーを噴霧したり,メンテナンス用
ハッチを開けて中の回路をいじっている。
ついに2機の動きは止まった。
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「これのサブタイトルはズバリ,アレ(14話)よね。」
「その通り。実はこのネタは赤い狐の終章の”HLVで巡洋艦を奪取する”
話のアイディアそのものなんだ。」
「またまた,もうそんな裏話には引っかからないよーだ。」
「本当にそうだったんだよ。ただ,長くなりそうだったので省略したんだ。」
「っていう話を,今思いついたのよね。」
「違ーう。ホントにそうなんだよー。」
「あんまり嘘ばっかりついてると,信用なくすわよ。」
「今回は本当なんだってばー。」


訂正告知文

「今頃になって訂正です。シュライヒ大尉の黒騎士は06R2ではなく,
06R1Aということにします。」
「え,どうして?今更。」
「実は06R2は4機しか生産されて無くて,しかも全部に誰が乗ったか
記録が残っているんだ。」
「はぁ,なんかマニアックな話ね。」
「ギレンの野望で量産できるものだから,つい使ってしまった。もっとも
実は5機あったという資料も出ているらしいんだが,どうも胡散臭い。」
「じゃあ,その5機目にすれば良いじゃない。胡散臭くて丁度いいわ。」
「うーむ,黒騎士が月で塗装を赤に変更し,最後の赤い彗星になるのか?
いよいよ胡散臭い話じゃないか。やっぱ無茶な設定はなし。黒騎士の機体
はとりあえず,06R1Aで決定だ。」
「思いつきで小説書いてると,苦労するわね。」


”黒い狐”第6話(トロイの木馬)

黒狐隊は奪った連邦機の機能をを回復させ,稼働状態に戻す。
「よし,イヌマ中尉とアドラー曹長が搭乗。連邦のパイロットは固縛して
輸送船にでも繋いでおけ。そろそろ母艦が来るぞ。」

通信を途絶した偵察機の動きを不審に思い,連邦軍巡洋艦ゲティスバーグ
は輸送船に接近してきた。
「確かに,この濃度では通信は出来んな。輸送船の粒子タンクが破裂でも
したのか?」
「ホークワンから発光信号。”輸送船は機関部が大破,乗員は脱出”です。」
「よし,脱出した敵兵の収容作業にかかれ。」

50名を超える大人数の収容だけに搭載機用ハッチが開放され,武装した
20名の海兵隊員が出迎える中,捕虜となった敵兵士がホークツゥの牽引
するケーブルに掴まり,曳航され入ってくる。
突然,ホークワンが頭部バルカン砲の掃射を海兵隊員の列に浴びせかけた。
今や,実戦での効果は眼眩まし程度でしかないと酷評されるが,相手が人
間では恐るべき結果を生む。20名の兵士は穴だらけの壁の一部に変わり,
もはや,そこに何人の人間が居たのかすら判別は難しい状態となり果てた。
黒狐隊と要塞守備の陸戦隊員が耐圧シュラフの封を解き,中から白兵戦用
の武器を取り出し機関室と艦橋の制圧に向かう。

艦内で最も白兵戦能力の高かった海兵隊員を失い,さらには航行に差し支
えの無さそうな部所を容赦なく外から攻撃されて,連邦軍乗組員には勝ち
目は無く,ゲティスバーグは程なく制圧された。

「この作戦が成功したのは,少佐の陸戦隊の御協力を得られたお陰です。
ありがとう御座いました。」
「いや,大尉。我々こそ脱出の手段がなく,苦慮しておった所へ渡りに船
といったところだったのだよ。こちらこそ感謝しておる。」
「なんとか船は動かせそうです。準備が出来次第移動しますが,かまいま
せんね。」
「結構だ。大尉の計画通り実行したまえ。久しぶりに面白い作戦だったよ。」

「(輸送船に隠しておいた)機体の搬入は完了しました。」
「(輸送船に仕掛けた)自動操縦プログラムを起動。」
「よし,本艦も直ちに追跡開始。進路地球へ。」

「と,見せかけて,実は月ですね。」

黒い狐 〜〜〜完〜〜〜
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「やぁー。終わっちゃったのね。と,いうことはいよいよ次回は赤い狐の
登場というわけね。」
「さぁ,どうだか。実は赤い狐の活動に関しては一年戦争の後,少しの間
謎の空白期間があって・・・。」
「また,なんか戯言(たわごと)を言ってる。」
「いや,そうじゃ無くって,さらにオリジナルのキャラが実は登場予定で
そのキャラのお披露目のために・・・。」
「今度は,いつまで遡るの?」
「オデッサ。」
「単に一年戦争以後の歴史には疎いだけじゃないの?」
「ギクッ!!」


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