Web:
Click here to visit our sponsor

”赤い狐”第9話(アキロニア戦記編)

報告を聞いた男の肩が震えていた。
「何だって?もう一度,言ってくれないか。」
「一昨日,仇討ち部隊が木馬に敗退。指揮官は戦死とのことであります。」
「何故だ?あれほどの男が・・・・・,考えられん。私からもお願いして,
中将閣下から直々に07Bを3機,その上09も送ってもらった筈だぞ。」
「ところが輸送機が連邦軍に襲われて届けられなかったという報告が。」
「馬鹿な。中央アジアの何処に連邦の戦闘機がいると言うのだ。
この一件は裏がありそうだ。調べてみてくれ。
それと,この件は内密にな。全軍の志気に関わってくるぞ。」
だが,数時間後,さらなる悲報が男の元に届けられる。
「あなたまで・・・,
私はこんなに近くに居たのに,お二人を助ける事が出来なかった・・・・
稀代の戦略家だなどと自惚れて,私は大馬鹿者だ。」

しかし,男は感傷にひたる間もなく戦いに専念しなければならなかった。
「敵の主力が第一陣の防衛網を突破しました。」
「連邦軍め,えらく動きがいいな。予想よりも進撃の速度が速いぞ。」
「大佐,ツヴィーベルを投入しますか?」
「あの子達には戦線が膠着した後に敵の後方攪乱をしてもらう。それまでは,
ここの司令官のお手並み拝見といこう。」

「敵の主力,我が軍の攻撃を受けて停止しました。」
「まあ,これしきの事は自分でしのいでもらわなければな。」
「我々が変に手を貸しても,気に入られるとは思いませんし,それで連邦軍
が早々にここの攻略を諦めでもしたら,元も子もないですからね。」
どうにも,宇宙攻撃軍の間では,ここの基地司令官の評判は悪いようである。

「とりあえず,戦線を膠着させることに成功しましたね。」
「ああ,こいつが長引くとフェードラー大尉の計略が功を奏することになる
わけだ。」

こうして,11月7日の夜を迎えた。
ツヴィーベルも秘かに基地を出発する。
「ルネ,僕たちだけで敵の旗艦を沈めてやろう。」
「え,でも大佐は後方攪乱をやれって。」
「そんなの,つまんないよ。なっ。」
「アンリさん,いけません。作戦命令は絶対です。命令外の行動を取ったら
直ちに帰還します。」
「ちぇっ,クラウスのけちんぼ。」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「そういえば,あの大尉夫妻と赤い狐は知り合いという設定だったわね。」
「士官学校の同期だった。という設定にしている。」
「同期にしては,階級が違いすぎない?」
「赤い狐の方は色々とスタンドプレーで出世してるからね。大尉の方は出世
と縁遠いとこにいたから。」
「そういえば,外伝2で「凱旋したら中佐だ。」なんて言ってたわね。」
「戦時中の軍人の階級なんてころころ代わるよ。Sャアだって,戦艦を5隻
沈める前は中尉だったのが11月には大佐になってる。」
「ところで,書込のペースは上がったのはいいけど,いつまで続く予定なの?
次回で10話よ。」
「うーむ,このペースではなあ,準備したキャラクターの数,裏設定,伏線
(あったのか)これらを積み重ねれば,赤い狐はあと10年は続けられる。」
「馬鹿は一人でやってなさい。」


”赤い狐”第10話(アキロニア戦記編)1

11月8日,戦線は膠着していた。
連邦軍主力部隊の後方では,壊滅したはずの公国軍戦車部隊が復活し,補給
部隊に打撃を与えていた。そのことを理由に一部の部隊は進軍速度をわざと
下げていた。またドナウ流域では予想だにしなかった河からの攻撃を受け,
大型陸戦艇が擱挫するなどの被害を受けており,連邦軍の攻勢は勢いを失い
つつあった。

事態は計画通りに進みつつあった。
しかし,司令室に陣取った男の表情は険しかった。
「フェードラー大尉,これをどう見る?」
「許せませんね。宇宙攻撃軍から仇討ち部隊に送られた装備が全く届けられ
てないじゃないですか。全部,別の部隊に廻されている。」
「いや,その事じゃない。この戦力配置だ。これで連邦の戦力を押し止める
事が出来ると思うか?」
「E中将が寝返れば,当然・・・」
「いや,それが無い場合でだ。」
「大佐,それは難しくなりますね。先ほどの情報では三連星が例の白い奴と
交戦し,彼らが敗北したらしいとの報告が入っていますが,これが敵情報と
して発せられると,両軍の志気に関わります。」
「やはりな。それと私が気にしているのは,あの司令官に本気でここを守る
気がないのでは?という懸念だ。奴の直属部隊の配備状況を見てくれ。昨日
から今日にかけての状況だ。後退のペースが速すぎる。」
「というよりも,これはもう,はっきり撤退の準備ですよ。」
「もし,地球攻撃軍,というか,突撃機動軍にここを守る意志が無いのなら,
我々はとんだ茶番につきあっていることになるぞ。突撃機動軍も公女殿下の
思惑通りには動いてはいないらしい。これまでの月からの増援を見てもな。」
「すぐにツヴィーベルを呼び戻します。手遅れにならなければ良いんですが。」
「それもだが,もし奴に我々が宇宙でやっている作戦を感づかれたら事だぞ。
それこそ,奴らの地球脱出から連邦軍の目を逸らすための囮にされかねん。」
「宇宙での計画を早める必要がありますね。」
「艦隊行動をリア宙域から観測される危険はあるが,最大加速ポイント以前
で連邦艦隊に捕捉されるよりはましだ。至急,上と連絡をとってくれ。」

「大変です。ツヴィーベルの浮上航行ユニットに故障発生。自力脱出が不能
との連絡です。」
「何てことだ,この忙しい時に。この際だ!ツヴィーベルは放棄してもかま
わん。パイロットとクラウスだけは回収させろ。それからターレットも含め,
機材は全部破壊しろ。まだ,連邦軍に渡すわけにはいかないからな。」
「了解,脱出と機材の破壊を命じます。それと救出部隊ですが,一番近くに
いて,頼りになりそうなのは・・・」
「私の息が届いてないのは駄目だぞ。」
「ドナウ流域にU−99のハルトマン中尉が居ます。彼に連絡が取れれば,」
「よし,5分後に上空をワルメルが通る。レーザー通信を経由させろ。」
「暗号深度は5,中将閣下特命レベルで発信!?・・・で,いいんですか?
中尉の方で解読出来るんでしょうか?」
「大丈夫だ,悪ガキどもなら読めるはずだ。それよりフェンリルとの回線は
まだ繋がらないか?」
「今,月の衝です。1分後に影から出ますので,それと通信時差は2秒以上
かかりますのでお忘れなく。」
「判った。苛ついてもしょうがない。とにかく出来る限りのことはしよう。
みんなも最後まで頑張ってくれ。」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「わっ,急転直下で形勢が変わりつつあるけど,いきなりあの兄弟のメカを
壊さなくても。」
「もともと,研究開発用の機材だからデータを取ってしまえば,不要品なん
だよ。後はエスパーの兄弟と人工知能を回収しておけばね。」
「えっ,Nュータイプじゃないの。」
「人々が,それを認識し始めるのはもう少し後のことになる。赤い狐は彼ら
シマール兄弟をテレパス,透視,予知,念動といった能力を使えるエスパー
として扱っていたんだ。もちろん,フラナガンの研究も知っていたはずだけ
どね。」
「え,シマール兄弟って,あの二人の名字なの?うぷぷぷぷ。」
「何かおかしいか?」
「だって,弟の名前はルネよ。くっくっくっくっ。」
(このネタが判る人も少ないんだろうな。−−全然ガンダムネタではない。)


”赤い狐”第11話(アキロニア戦記編)1

宇宙巡洋艦フェンリルの作戦司令室は混乱状態であった。
「作戦決行を1日早めるだって,無茶な。今の日程でもキツイのに。」
「しかし,それでは間に合わない可能性が出てきたらしいとの連絡だ。」
「仕方ない。Cの48からEの23までの手順は省略する。リア宙域で目撃
されるのは覚悟しよう。護衛艦隊のローテーションも変更だ。事前配備船団
にも軌道変更の連絡をしなければならないな。」
「各艦艇に通達。遅れているキャンベルタウンは増速6%,他は5%だ。」
輸送船団をとりまく護衛の艦隊は速度を上げつつ,軌道修正を始めた。

「なんだか,赤い狐にしては詰めがあまかったのかな?今頃になって計画を
変更してるようじゃ,ろくなことになりそうにないぞ。」
黒騎士シュライヒ中尉は3度目の補給を済ませて発艦し,護衛任務につきな
がら呟いた。
リア宙域をかすめる形で飛ぶので,注意するように指示があったが,さすが
に目視されるほど接近するわけではないので,シュライヒ中尉は巨大な鏡が
ゆっくり回転する様子を眺めていた。
軍艦はさらに遠方を航行しており,もしリアから見えたとしても,輸送船の
船団に過ぎず,連邦軍の艦も混じったその船影は,さほどの注意を引くとは
予想されてはいなかった。

連邦軍戦艦”ゴルシコフ”が2隻の巡洋艦を従えて,この宙域にいたのは,
リアから軍需物資を極秘裏に運ぶ輸送船護衛の任務の為であった。
「変だな,船団は12隻のはず,2隻足りない。それに進路が予定のコース
からずれている。」
「そうですね。それに通常の速度ではありません。よほどの事がないとあれ
ほどの加速はしないはずです。」
「レーダー室から報告。輸送船団の背後に敵の艦隊,さらに船団周囲には,
ZKの群れが!!」
「やはり,そういう事か。全艦戦闘配備に。S−フィッシュも全機だせ。」

この時彼らが護衛すべき船舶は,まだコロニーを出港すらしていなかったの
だが,艦影を確認して勘違いしてしまった連邦軍艦隊は公国軍艦隊へと突撃
を敢行した。

それぞれの戦力は,連邦軍が戦艦1隻,巡洋艦2隻,S−フィッシュ8機で
あり,公国軍は巡洋艦3隻,ZKは12機(R1AとSが各1機,残り10
機がF)であった。戦力的には公国艦隊が圧倒的に有利であり,しかも,守
るつもりの当の輸送艦から機銃掃射を浴びせられて撃墜される戦闘機もあり,
連邦艦隊は数分も経たずに壊滅した。
シュライヒ中尉もS−フィッシュ2機を撃墜し,そしてゴルシコフの船橋に
バズーカを撃ち込んでいた。
他の巡洋艦も別のZKが沈めており,残った戦闘機ももはや2機のみであり
1機がリア方面へ逃亡するのを確認すると,
「あれを追撃すると,リアへの領空侵犯になるからまずいな。」等と考える
余裕すら生まれていた。
損傷を負ったZKは4機,しかしいずれも致命傷ではなく,母艦での簡単な
補修で再度出撃が可能となるレベルのものであった。

そして,戦場に残った最後の1機のS−フィッシュが・・・・・,
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「わ,シュライヒ中尉が金的GETって,あんまり感動できないのは何故?」
「そりゃあ,戦闘シーンは省いてるからね。本気で書くと終わらなくなるか
もしれないし。」
「どうせ,どこかの空戦記からのパクリになるんでしょ。」
「ひどい言われ様だなぁ,なんか今までのが全部そうだとでも言わんばかり
じゃないか。」
「じゃあ,今回出てきた船の名前,キャンベルタウンの名前の由来は?」
「ナチスドイツ占領下のフランス軍港ドックに体当たり自沈したイギリスの
駆逐艦の名前さ。見事にドックは封じ込められた。確か,アメリカで第一次
大戦中に量産された鑑だったはず。」
「やっぱりそうじゃない。」


”赤い狐”第12話(アキロニア戦記編)

その突然の報告には、さすがの男も驚きを隠せないようであった。
「水爆を使うだって,本気か?」
「連邦軍に対して、そう通告したようです。」
壁面のディスプレイでは,連邦軍の動きが一時止まっている。当然であろう。
核による威嚇に抗する術はないのだ。だが、これが単なる恫喝に過ぎないと
判れば、却って連邦軍の戦意をあおることになりかねないであろう。
「おそらく、連邦軍はこの脅しには乗らんだろう。ここの撤退の準備を急が
せねばならんな。」
「私もそう思います。しかし、問題は本当に核が使用された場合です。我が
軍の国際的立場は無くなります。」
「しかし、フェードラー大尉。核ミサイルなど、地球には持ち込んでいない
はずでは無かったかね?そもそも、我が軍の核物資は1月15日までの戦闘
で払底してしまい、それで条約に核の使用禁止を盛り込んだはずでは?」
「しかし、それはあくまで宇宙攻撃軍の核に限ってのことです。突撃機動軍
がどの程度の核を保有していたかは不明ですから。」
「それに、9箇月も地上に居れば、核物資の採掘も可能であったはずだな。
いや、連邦軍の保有していた核を廬獲している可能性も否定できん。」
「至急、核が本物かどうかの確認をします。」
「ああ、核がただのブラフで、しかも連邦の足が半日でも止まれば一番良い
んだが、虫がよすぎるかな。」
しかし、彼の期待(いや、これは希望的観測と呼ばねばなるまい)は最悪の
形で破られることになる。

「核は紛れもない本物です。長距離弾道ミサイルが4基、イールドが600
キロトンが6基の多弾頭タイプ。威力の割に連邦軍主力との距離が近すぎて
へたに使えば味方にも被害が出かねません。」
「どっちにしろ、地上戦闘で使える代物じゃない。いや,奴らが宇宙へ撤退
した後なら使いかねんな。なんとか、使わせないように妨害工作をしよう。」

「大佐!良いニュースです。ハルトマン中尉から、シマール兄弟とクラウス
の記録データの回収が完了したとの報告です。今なら、直接通話出来ますが
何か、連絡事項がありますか。」
「ツヴィーベルの破壊処分だけは確認してくれ。それから、ここには戻るな
と、直接セバストポリ要塞に帰還するように伝えてくれ。」
「判りました。では、U−99艦長クレッチマー少佐にも二人とAIの事を
依頼しておきます。」

「大佐!大変です。フェンリルから通信「連邦艦隊と遭遇、これを撃滅」と
の事です。」
「撃滅!?殲滅ではないのか?」
「Sーフィッシュを2機、取り逃がしたそうです。」
「FF−S3か?単座戦闘機だな。通信能力はたかが知れている。情報漏洩
の可能性は低いな。」
「はい、敵艦との交戦中に長距離レーザー通信の気配は無かったとの報告が
入っていますので、その懸念は必要ないかと。」
「では、とにかく「核ミサイル」の方を片づけよう。まったく、これで核の
使用が司令のブラフだったりしたら、冗談もいいところだ。」

もしも、この時「何故連邦の艦隊がリア宙域近辺にいたのか」を、考慮する
余裕が彼らにあれば、歴史は少し違ったものになっていた可能性がある。
しかし、目の前の核の脅威の前に彼らはそれに気づくことは無かった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ちょっと、宇宙と地上とで戦場が目まぐるし過ぎるんじゃないの。」
「読者も飽きが来なくて良いと思うけどな。」
「て、言うか。なんか肝心の所ではぐらかされて、次回では話題が替わって
いるって感じで騙されているみたいな。」
「ほっといてくれ。」
「ところで、公国軍にはもう核兵器が無かったというのは史実なの?確か、
0080では使われかけたとかいう話があったはずだけど。」
「あれも、宇宙攻撃軍ではなくて、月を発進した艦隊だったはず。」
「でも、近藤マンガで、あのブラウン大尉が、連邦軍に占拠された要塞から
核を奪取するという話が・・・」
「あれは、非公式な話だから、信用しないの。」
「そう言えば、赤い狐が教習生と出撃した時には核弾頭バズーカを使わせて
もらえなかったという話があったわね。あれは未熟で危険だからじゃなくて
弾数が残り少なかったからなのね。」


”赤い狐”第13話(アキロニア戦記編)

戦場に一機、取り残されたS−フィッシュは弾薬・推進剤を使い果たしており,
誰の目にも危険には思われなかった。そして、そのパイロットは戦闘を生き
延びた者の当然の権利として、公国軍に降伏をしようとした。

しかし、勝利者たちにとっては迷惑千万な話であった。捕虜を取る余裕など
無い。この戦闘のために、スケジュールはさらに逼迫しており、彼を収容す
る暇はなかった。もっともさすがに加速を停止し、翼端灯を点滅させている
敵機を攻撃しようとするZKはいなかったが。
結局、彼は艦隊と船団に置き去りにされ、その宙域に取り残された。主電源
すら不安定な状態となり、彼は途方に暮れた。しかし、視界の彼方に消えて
ゆく艦隊の様子だけは観察し続けていた。

リア宙域へ逃亡したS−フィッシュの方はもう少し幸運であった。リア軍の
パトロール艦に誰何される前に、護衛すべきであった船団と遭遇することが
出来たからである。輸送艦に収容されたパイロットは、先の戦闘のあらまし
を船長に話し、その内容は直ちに連邦軍の宇宙艦隊司令部に通報された。
そして彼の案内により、もう一機のS−フィッシュのパイロットも収容され、
さらに詳しく状況が伝えられた。
しかし、連邦軍がその船団の意図を正しく判断した訳ではなかった。ただ、
地上で戦う公国軍への増援の可能性が高いとみて、対応したに過ぎなかった。

しかし、その迎撃に用意された戦力は赤い狐の準備した計画を挫折させるに
は、充分すぎる程であり、フェンリル以下の艦隊は数倍の敵艦隊に阻まれて
全滅した。ただ一隻、連邦からの捕獲艦”シシヤマ”のみは貨物を投棄して
離脱、連邦軍の補給艦のふりをして逃亡に成功した。黒騎士シュライヒ中尉
はこの戦闘で戦艦1隻、巡洋艦2隻を撃沈するという戦果を挙げたが、公式
には認められてはいない。彼がシシヤマの船内に隠れて、敵をやり過ごした
ときには、出撃していた僚機は全滅しており、この戦いで撃沈・撃墜された
連邦軍の戦艦4隻、巡洋艦6隻、戦闘機23機のどれを誰が沈めたのか確認
する手段はなかったのである。

この戦闘の結果は、直ちに地上に伝えられた。
とりあえず核兵器を使用不能な状態にし、一息ついた処への報告であった。

「終わったな。連邦の足も止まらなかった。撤収の準備を急がせろ。しかし、
あわてることはない。カリマンタンの準備は出来ている筈だ。」
「我々はかまいませんが、U−99に収容されるシマール兄弟たちが問題で
はありませんか?」
「大丈夫だ。あの子達は私が回収する。諸君らは先に宇宙へ脱出したまえ。」
「ですが、大佐!」
「私も、お供いたします。」
「いや、一人で充分だ。それよりもフェードラー大尉。君には次回の計画の
準備をしてもらう必要がある。」
「え、まさかアレを?」
「そうだ、今回と違って、準備に何ヶ月かかるか判らん代物だ。宇宙に上が
ったら、直ちに取りかかってくれ。私も子供達を収容したらすぐに上がる。
頼んだぞ。」
「はい、大佐。御武運を!」

男がセバストポリ方面へと出発した後,誰かがぽつりと呟いた。
「ところで,誰がレイラ少佐に説明して,彼女をなだめるんだ?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「とうとう赤い狐も一敗地にまみれちゃった訳ね。」
「まぁ、今回は運が悪かった、ということにしよう。」
「で、次の計画ってのは何?」
「それが明らかになるのは当分先のことだよ。第一、準備に何ヶ月もかかる
計画だからね。」
「ところで,核を使用不能にしたって言ってたけど、水爆ミサイル一刀両断
っていうのは、どう説明するわけ。」
「公式設定となった映画版ではその話は無かった事になっているんだ。」
「えっ,そういえば,仇討ち部隊の白兵戦で木馬は航行不能,輸送隊が来援,
三連星が迫撃,輸送機が潰されて,三連星も全滅,カーゴの突攻,FFX−7
の特攻,そしたらオデッサは終わっていたのよね。じゃあ水爆使用の事実は
無かったのね。」
「しかし,まったくの事実無根という訳でもなく,「言うこときかないと,
ミサイル撃っちゃうぞ!」という威嚇はあったとしてもいいのじゃないかな。」
「そうよね。公国側では連邦軍が使いかけたけれども,三連星が決死で阻止
したって報道したみたいだし。」


続きを読む    赤い狐メニューへ