第221話「笛を抱いた謎の少年とロビンの推理!」

〜悩めるマリモ君〜



オリジナル編の始まりと共に、
同人誌をめくるようなドキドキとワクワクが
抑えられない昨今です。
「原作ではマジありえない」シチュエーションを
楽しむイッツアショータイムであるとわりきって、
本編では決して拝むことのできないゾロを堪能しましょう。

ナミに航路を確認するゾロ。マジありえない。
船の行き先を気にするゾロ。マジありえない。
ナミの航海術に不安を感じるゾロ。マジありえない。

実際のゾロは雲を目印に「進路異常なし」という
呪詛を唱えながらの肉体鍛錬です。
まじりっけ無しのピュア迷子です。

ウソップの手作りの「迷子札」が必要なのは
この人ですから!!残念!!

記憶を失って、不安や戸惑いを感じている
メリー号のクルー達。

一方、そんなどんよりした雰囲気を
ぶち壊す「オチ」として登場のマリモ君でした。
このシーンのおかげで、ゾロのシリアスセリフが全て
お笑いに聞こえてしまって困りました。

ところで、設定自体が同人誌風味という評判の高い今回のオリジナルですが、
個々のセリフについてもプリティでキュアキュアです。
今週は、サンジのこの2つのセリフを記録しておきましょう。

◆いけすかねぇ海賊狩りが船を降りたのは何よりだが…。

先週「初対面のゾロとサンジ」という爆弾が投下されました。
第一印象がどうなのか、2人のハリケーンは再びやってくるのか、といらぬ心配でウキウキしますね。
原作ではイーストブルーで名を馳せたゾロの事をサンジは知っていました。
ロロノア・ゾロという名前を聞いて「こいつが?」という表情をしていたわけです。
そしてわかってますけどあえて振り返りますが
「てめぇらバカじゃねぇのか。真っ先に命を落とすタイプだな。」みたいな煽りがあって
「剣士として最強を目指した時から命なんてとうに捨ててる、俺をバカと呼んでいいのは、それを決めた俺だけだ。」というバカ宣言があって、サンジは「ケッ、馬鹿馬鹿しい。」と複雑な顔をしています。

※私は単に思い出に耽っています。
※そして何も見ずにこれくらいのセリフは思い出せるのだなぁと自分に感心しています。

その後、ゾロのミホークとの対決を見せつけられたサンジが
ゾロの前では素直になれずにいたりして、衝突の歴史が始まるのですが、
アニメのオリジナルではそんな経緯が無く初対面のままでゾロとサンジの関係が
少しずつ進んでいくのだとしたらそれはもう本当に同人誌の材料としてごちそうさまでした。

麦わら海賊団になるきっかけなどの記憶は一切なくなっても、
自分自身の人格や信条などは確固としてある、というのが今週わかったことです。
キッチンの様子から、サンジは確かに自分が作業していたキッチンだと肌で感じます。
ゾロも覚えのない刀に対して「馴染みの良さ」から自分の刀だと感じています。

そんなサンジのままのサンジは、あの中で唯一名前を知っていたロロノア・ゾロの名前を呼ばずに
「海賊狩り」と呼び、更に「いけすかねぇ海賊狩り」という主観の入った修飾語がまとわりつきます。

ゾロがどういう人間で、それに対して自分がバラティエでどのように生きていたかという記憶が無くても、
サンジが感じる嫌悪感が生理的にある、というのが非常に興味深いです。

◆メチャクチャっつーか、なんつーかマジに考えてるこっちがアホみてーじゃねーか。

これは緊張感の無いルフィに対して投げかけられたセリフですが、ここだけ切り取ってみると、
切ない乙女心にも見えて妄想の花が開花します。
ここでは「真面目に考えてるこっちがアホみてーじゃねーか。」というセリフの方が
しっくり来ただろうに、と思うんです。
このようにサンジが「マジ」とか言っちゃうと、「本気の恋愛」と言ってるような勘違いが
私の脳内で展開されるのは、私の日頃の行いに間違いがあるからでしょうか。

ここら辺からは、真面目なゾロの話になっていたと思うのですが前半のオチ扱いのゾロのイメージが強烈だったからか、本日のサンゾロオンリーイベントで「あんぽんたんなゾロ」をたくさん見たからか、ゾロの独白がお笑いに聞こえて仕方ありません。
「船に乗り込み、寝たとこまでは覚えている。それからがまるで思い出せねー」というセリフに対し「それはあなたがバカだからじゃないんですか」と、少しだけ思いました。
バックに流れるストリングスの音色もコント仕立てです。

しかし昔の事を思い出したり背後の少年の気配を察知するゾロは本当にかっこよかったです。
普段は、3本の刀を抱えて眠る体勢に入るのですが、今は自分の記憶がはっきりしている和道一文字だけを抱いて、物思いに耽ります。その様子がまるで和道一文字に語りかけているようでもありました。今は記憶が無いからそんな風に見えるのかもしれませんが、もしかしたら、普段からこんな風にしてゾロは和道一文字と心で会話していたんじゃないか、とも思いました。そしてゾロは和道一文字を女性を扱うように丁寧に扱って、手入れして、大切にしているんだろうな、と思いました。それから、左のスケッチのゾロの指は女の扱いを知ってる指先だと思いました。

変態思考の夜弥です。コンバンハ。(自己紹介終了)



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若竹