第318話 「母は強し!ゾロのドタバタ家事手伝い」(2007.8.18)
サブタイトル 
上級者向き過ぎて萌えられないプレイ
(ミスチルの歌詞っぽく)


物議をかもすまでも行かずに、ひっそりと胸の中に秘められて封印されていた、ゾロの家事手伝いプレイを振り返って立ち止まって見える未来はあるのかな。
ゾロの東映オリジナルはいつだって、僕らへの試練。尾田先生も寛大にならざるをえない。
そして気づくんだ。ダメ出しも愛なんだって。
心を閉ざす前にかぶってヘルメット。そう、安全第一の。

という訳で、無駄に流れたと思える時間(トキ)の中で、熟成された想いを抱いて、冷静にゾロの家事手伝いを見られる事が成長なのか諦めなのか、わからないままで、それでも萌えの欠片を探す旅が続くんだ。
まだ不安定な赤ん坊の首をゾロは親指で支えているんだ。
ダメ出ししか感想が出てこないので、空しさは感じつつもマジメにダメだしをしていこうと思います。ゾロについては「やれやれ」の一言で片付けられるのですが、私が一番違和感を感じたのはW7の市民の反応やビッグママの信念です。そもそもW7というのは海賊に対する偏見がない街なので、この街でマイケルとホイケルがどういう悪党かを描こうとしてグダグダになってます。別に彼らを悪党として描く必要はなくて、この中途半端な演出のせいでマイケルとホイケルとW7の市民の印象が悪くなって、それがとても残念でした。
あとはマイケルとホイケルに追いかけられただけで、ゼエゼエと息が上がって疲れているゾロの描写も間違ってると思いました。最終的にマイケル・ホイケルにつかまってしまうという顛末はわかりますが、ゾロが疲れてる演出は無意味だし、ゾロファンとしては不快でした。

マジメに見たら負けなんだろうか、と何度も自問自答しなければならない数々のギャグシーンなんですが、まずツッコミたいのはマイケルとホイケル以外の子供の名前がヨーコ、ユーヤ、ショー、アヤコ、アキヒロって、全員日本名かい、と、そこを全力でつっこみました。こういう場面で普通に「陽子」とか出てきたら萎えるわ!ドリーム小説やん!
あと、ママは自分のTシャツをゾロに貸したみたいなんですが、それについても3時間くらい語り明かしたい。いや、本当にマジメな話、ここ、ひょっとしたら非常なエネルギーを生み出す萌えポイントになるかもしれない設定だったのに、全てがダメな方向に加算されて加速。残ったのはため息のみ。
Tシャツを無理やり剥いだら、胸を縦断する大きな傷を負ってるんだけど、そこはスルーですか。どんな修羅場を乗り越えてきたのかと、どんな仲間と乗り越えてきたのかな、とママが想像してもいいんじゃないかな。ゾロの裸身は眩しすぎて正視できないんだぜ。
そして続く萌え爆弾になるはずだった、でも湿った空気だけが漂った「ママアップリケTシャツ」
低いトーンのざわめきが辺りを暗くしたよ。
着替えがないから、女性用のシャツをゾロが着ることになるって聞いただけで、心の中のジッポの蓋がカチャっと鳴るんだよ。だからピチピチになるというのは納得がいくんだけど、ママがへそ出しキャラだから、ゾロに貸したTシャツもへそ出しのミニ丈だったって、そんなどうでもいい設定だけ細かい。本当にどうでもいい。
普通に女もののシャツを着せればいい。スポーティーだけどよく見たら女物、という恥辱プレイを敢行しつつ街を練り歩け。

←この顔は普通に可愛かった。
ゾロが強引なペースにのまれて、少しずつ子供たちに愛着を感じたり、子守に慣れていくのはとても微笑ましいし、「いい子にして寝てろよ」とかいう中井ボイスは是非枕元での再生をお願いしたい夜のご褒美になります。

今回のオリジナルで本当にダメだったのはゾロ以外のキャラクターの背景でした。ママがこんな事を言ってました。「仲間と家族とどっちが大事なのさ!」「血の繋がりが何だってんだい」「血の繋がりがそんなに大事なんだってのかい?」です。あれ、ちょっと、コレ、矛盾してませんか。

マジメな話、ゾロが「仲間の所に帰る」と言った時にママが聞く耳を持たなかったのは、逆にリアルだと思ったんです。孤児が他人に心をすぐに開くわけではないから、このくらい強引に自分のもとに置いておくんだと思うんです。それで「お前は家族だよ。」と言い聞かせるのが彼女の方針だと思うし、悪い仲間のもとに返すわけにはいかないって思ってのことだと思うんです。
だからこそ、ママをもっと格好よく描いて欲しかったなーと思います。海賊、大いに結構じゃないか、みたいな大きな女性を描き上げられたら、このオリジナルストーリーは良作になっただろうにな、と思います。

THE おんぶ。
おんぶはロマンです。人から理解されなくたっていい。おんぶが夢で何が悪い。ゾロのおんぶはどんな匂いがするのかな。夕焼けの匂いがするのかな。そのまま眠ってしまったらどんな夢を見るのかな。ゾロの声がすごく近く聞こえて眠れないよぅ。こんな私が気持ち悪いよぅ。

アラバスタ編でゾロがナミをおぶった時からずっと私の中で続いていたおんぶウェーブが今まさに鮮やかな映像で具現化されたね。まさかのホイケルで。


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|若竹|