「第310話 “グロッキーリング!!”」

『復習は大事だよ』



【前回までのあらすじ】(読んでない人のために!親切!)

ボールマンになるのが嫌なゾロは咄嗟にサンジをボールマンにしようとした。
1瞬はなすがままにゾロの意志を受け入れようとしたサンジだったが、
ふと我に返った時、自分がボールマンになる事に言いようのない嫌悪感を抱き、強く反発した。

サンジの反論に対してゾロは全く耳を貸さず「ごちゃごちゃ言うな。」と頭ごなしに
押さえつけた。しかしそれで収まると思わなかったゾロはすぐにオトボケ作戦を敢行したが
有効では無かった。もっともサンジをおちょくるという目的は達成されたのだが。

結局どういう流れなのかはっきりしないものの、ジャンケンでボールマンを決めることになった。
ジャンケン勝負をすることでゾロは譲歩しているように見せながら、結局自分のペースに持ち込んでいた。
子供っぽくも見えるゾロの強引さに抗うサンジはしかし「全てにおいて勝っている」という話題には触れず
今はジャンケンの話題だと筋を通した。確かにゾロがサンジに勝っている点は多い。
しかし冷静に考えてサンジがゾロに勝っている点もあるはずなのに、ゾロの優位を否定しないのは、
サンジの何かしらの意志の現れであろうか。

サンジの反発はゾロにとっても予想通りの事であるが、サンジがボールマンを拒む理由は
サンジ自身にも断定できないでいるようだ。
その証拠にナミの一声でボールマンとしての自分をすんなりと認める事が出来ている。
つまりサンジの反発はボールになる事とは別の次元で起こった物と言える。

では、ゾロがボールマンを嫌がる理由は何であろうか。
競技において、選手とボールに分かれる場合、明らかに主導権は選手の方にある。
もちろん競技の内容によってはボールの動きが勝敗を制することもありうるが
“概念”や“イメージ”から言うと選手がボールを操ると言っていいだろう。
主導権を握りたい、自分が優位でありたい、それをサンジに知らしめたい…
そのような子供じみた発想から出た選択であるようだが
ゾロの判断は客観的に見ても正しいだろう。
身のこなしの軽やかなサンジが敵からの攻撃をかわし
パワープレイヤーであるゾロが敵を攻撃するのが得策と言える。
戦闘のカンに冴えているゾロが下した瞬時の判断に対してサンジは
不本意ながら、最終的には従うことになる。

普段からもサンジとゾロとの口論が絶えることは無いのだが
なぜかしらこのような結果になることが多い。
気がつけばサンジがゾロの手中に収まっている、というような。

サンジの方がよっぽど器用な振る舞いが出来るはずなのに、
いや、それがかえってあだとなるのか、サンジは相手のペースに
合わせてしまう性質なのかもしれない。

そしてサンジはボールマンとなった。

ゾロとサンジの関係は単純な物ではなく
本人達もはっきりとは自覚できないままで
時折本音をこぼしながら、意地を張り合って
お互いの距離を測っているのだ。

フィールドは広い。

軽口を叩くことで距離が縮まるのかと傍観するギャラリーを余所に
二人の関係の行方は誰にも予測出来ない。

サンジがボールマンと決まってからもゾロはその事について
まるで気にくわないとでもいうような表情で揶揄する。
そして当然の反応がサンジから返ってくる。

 icon:radiator


この辺りの行動は動物的習性であるとか反射であるような
本人の意思とは別のところで制御されているようにも見える。
丸い物を見ると転がさずにはおれない猫のようだという喩えは
剣豪に対してふさわしくないであろうか。

その剣豪がゲームのルール上、剣を手放すというのだ。
あっけなく了承するゾロにやや拍子抜けしたサンジは
心配という訳ではないけれど、ゾロの剣にかけた誇りや誓いという物が
脳裏をよぎり、思わず「大丈夫か?」と声をかけてしまう。

しかしゾロに「何だ」と聞かれ、その後の言葉を用意していなかった事に気付く。
何を確認しようとしていたのか、自分でも馬鹿馬鹿しくなってしまって
そのままゾロを茶化し、また今まで通り。

 icon:radiator


試合開始。

ゾロは敵の動きよりも、サンジの動きに気を取られていた。
それに対するサンジも目の前の敵の攻撃を全く無視し
ゾロの声に反応していた。

二人にはグロッキーモンスターズの存在は意識になく
ゾロはサンジだけを、サンジはゾロだけを見ていたのだ。

このグロッキーリングはゾロ対サンジの戦いであるのだと
その時初めてギャラリーは気付いたのであった・・・・。


第311話 “ラフゲーム”へ続く


2004.2.23


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