第398話 “宣戦布告”

『言いたい事も言えないこんな世の中じゃPOISON by 反町隆史』



今週は感動したというよりも考えさせられたという感じです。

この数週間、ロビンの過去編で世界政府が行ってきた極悪非道な正義を見てきましたが
同時に世界政府を敵に回すとどうなるかを思い知らされました。

世界政府とは4つの海にある170国以上の国の集まりで
その全てを敵に回すことになります。
海軍や役人に追われていた今までと違って
「市民」すらも敵になる訳です。
世界政府に参加しているアラバスタ王国やドルトンさんの国などとも
敵対する関係になるのでしょう。

海賊王とは世界一悪いということで
海賊王と関わったり、海賊王を助けたりした者も処罰されるのです。

そういう道を歩んでいくことになるのです。

それを受け入れる事は容易いことではありません。

世界政府の旗をウソップが躊躇いなく撃った時に私は
「え?いいの?」と驚きました。

メリー号を捨てることが出来ずに、
青キジにビビって、そんな自分が情けなくて腹が立って
仮面をつけて仲間の前に姿を現すようなウソップです。

キングブルに乗りそびれた時に
「このまま逃げようか」と少し迷ったウソップが
全世界を敵に回す!と宣言する行動を取ったんです。

あそこで迷ってしまっては、ロビンを更に追い詰めるだけですが
ロビンと同じ道を歩むことを、そんなに簡単に決意できるのでしょうか。

ルフィやゾロ、それにナミは「嫌われてなんぼ」みたいな
生き方は平気でしょうし
サンジも「自分の命なんてくれてやる」というような
冷めた覚悟もあるように思います。
チョッパーは人でもトナカイでもなくなった時点で
はみ出し者として生きてきましたが

ウソップは普通の人間だと思うんです。

だから、ウソップがあの旗を射抜くのにもう少し
説明が欲しいと思ったのが正直なところです。

ロビンの「仲間に裏切られるのを見る前に死にたい」というセリフが
ウソップを動かしたんでしょうか。

ウソップは時々後先考えずに、目の前の困った人を
助ける事があるので、今回も反射的にあの旗を撃ってしまったんでしょうか。

なんか、そっちの方が私にはスッキリします。

後から「おい、やべーよ。あの旗撃っちゃまずいだろう!ルフィ!」って
足をガクガク言わせるウソップの方が私にはしっくり来ます。

んー。そうしたらルフィは
「お前が一番悪党だなー!ししし」とか言って笑うかな。


最初にも書きましたが今週はすごく重く感じてしまいました。

史実を明らかにしようとした事が「悪魔」と扱われ
世界中にその歪んだ報道が渡り、全人類から忌み嫌われたオハラ。
自分が体感した事実を主張することを「虚偽」と扱われ
公開処刑され、「うそつき」と伝承されたノーランド。

「自分が正しいと思うことを言ったり行動したりすると
 圧力がかかり、抹殺されてしまう」という状況が
やるせない現実とリンクしてしまうから。

会社の不正を内部告発して解雇されるとか
組織が大きくなればなるほど、トップは
「人を人とも思わない冷酷な判断」を簡単に下すとか
でも人は弱いから組織に属することで安心するとか。

暗いこと言ってごめんなさい。


ちなみにワンピースには「一繋がり」という意味もありますが
「1つのカケラ」という意味もあります。


では、久しぶりにジャンゾロです。

これまで何度もゾロのファンタジスタな見せ場が何度も
あったのに(「何度も」を何度も言いました)
ジャンゾロの内容はジャンゾロというよりはワンピースの感想でした。
ああ、ジャンゾロなのに。ここはジャンプのゾロを語る場所なのに、
と思いながらも私はワンピースの大きなうねりに飲まれていました。

今週はワンピースの歴史に残るような名台詞が
たくさん出てきたと思いますが
ゾロファンにとっての名台詞は「そういう事か…」です。

ロビンの悲痛な告白に対して、ナント!
ゾロは納得してるのです。「ああ、なるほど」とばかりに!
この人でなし!

ロビンがメリー号に同乗した時に
ゾロは「何考えてやがる」と怪しんでました。
2人でサウスバードを探しに行った時も
「俺はお前を信用した訳じゃない」と断言してました。
アイスバーグ襲撃事件のドサクサで
ロビンが別れを告げた時もゾロだけは冷静に
「別に俺はどっち側にも揺れちゃいねぇ」と言って
ロビンが真の敵か、操られているのか白黒つけようと
全く情に流されていない様子でした。

ロビンの「本当は死にたくないけど、でも、死にたいの」という
自分でも持て余しているような複雑な感情を
きっとルフィは肌で感じていたのでしょうが
ゾロにも何か感じることはあったのだと思います。

ルフィが強烈な指針でロビンの迷いを払拭するのに対して
ゾロは相変わらず白黒つけようと淡々とした気持ちで
ロビンを見つめていたように思います。
「20年間も政府の追っ手を逃れて生き延びた女が
 『死にたい』ってどういうことだ?」って。
その疑問は「ダイヤルって何を喰ってる貝なんだ?」と
同レベルの夏休み自由研究的な好奇心だったかもしれません。

そこでロビンが「仲間に裏切られる前に死にたい」と告白すると
「そういう事か。」と、ゾロ納得。
むしろゾロスッキリ。

ゾロは「仲間は裏切らないし、お前は死なない。」と言う事を
「リンゴが2個あって、1個食べたら、残りは1個だ。」と言う
小学1年の算数レベルの明快さでハッキリさせるんだと思います。

ビビとの別れの時に
「そんなに別れたくなきゃ力ずくで連れてくりゃ良かったんだ」と
言ってます。
人の気持ちをオセロみたいにパラパラとめくって
白と黒だけにしようとするんです。
だから脳味噌まで筋肉でできてるってサンジに言われるんです。(同人誌で)

そして、そんな迷いのないゾロが
自分の思った通りに行動して、時に人を傷つけても
それはそれで女心を揺さぶられました。(事後報告)


2006.2.11


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