第468話 “海賊チョッパーVS怪人ホグバック”

『ホグバックは衣装で趣向を主張していた』


チョッパーのセリフがいちいち泣けたなぁー。
チョッパー、良いこと言うなぁー。
チョッパーが「人間」って言う度に、
「チョッパーはトナカイだけどな」と思ってしまった自分が恥ずかしいです。

スリラーバークのバトルはサクサク進むので
一つ一つの行動に細かい意味や設定は作り上げられてないように思います。
今週の話でゆるがないのはチョッパーの考える「医者とは」「命とは」「生きるとは」
という概念で、それ以外の部分は恐らく盛り上げるための装飾程度の物だろうと
思うのですが、掘り下げていくと深い哲学があるような気がするので
気のせいかもしれないけど、トンネルをくぐってみようと思います。
結果的に、行き止まりかもしれませんが。

ひっかかったのは、主に『ホグバックの欲望』と『ゾンビの人格形成』という2点です。

まず、ホグバックです。

ホグバックは非道な悪党だと思うんですが、その一方で
「ああ、こういう人、いるよねー。」という感想も持ちました。
一見すると、何不自由なく暮らしている人が、突然、凶悪犯罪を起こした時に
抱くような感情です。
安易な言い方をするとホグバックは“人の気持ち”が欲しかったんじゃないのかな。

他人には理解できないけれど、彼なりの幸せの求め方があって
彼の中では理路整然としてるんだろうと思います。
シンドリーちゃんに振られたことがきっかけで、彼の歯車が
狂ってしまったのだとしたら、同情の気持ちもうっすら沸きます。

ホグバックが犯した罪を償うとしたら、どんな方法があるのでしょう?

次に考える『ゾンビの人格形成』に、そのヒントがあるかもしれません。

マリオに影が注入された時の人格について考えていこうと思います。
最初は影が支配していますが、時間と共に影の記憶は薄れていくそうです。
では、影の記憶が薄れた時、マリオを動かしている意志は何なのでしょう?

今回、とても興味深いエピソードがありました。
サンジペンギンはロビンを蹴ったくせに
ゾロゾンビとは喧嘩をしたのです。

ゾロとサンジの相性が合わないというのは
生まれながらにして持った“気質”のような物で
サンジが女性を蹴らないのはゼフから学んだ“信念”です。
先天的と後天的の差があるのだと思いました。

しかし全てがそう単純な訳ではなくて
シンドリーちゃんが皿が嫌いなのも
侍リューマが使う剣術も影が体験から身に付けた物なので後天的な物です。

先週、リューマがゾロに負けて、燃え尽きてしまう寸前に
ブルックなのかリューマなのか曖昧な人格がでてきたような感じでした。
主人の命令で動くというよりは、自分の意志で発言しているような最期でした。

そう考えると、今週のシンドリーちゃんの涙は
「極限状態になると影が混乱し、主人の命令が一瞬無効になる」という
状態なのかな、と思いました。

以上、『ゾンビの人格形成』について考えました。

話は戻りましてホグバックです。
ホグバックの変態具合の検証です。

シンドリーちゃんに床を舐めさせるシーンがありました。
床を舐める行為とは常識で考えれば屈辱的なものです。

しかし、ホグバックの常識は私達にとっての非常識です。

シンドリーちゃんといえば、スープ系の料理も皿に入れないという
野性的な小悪魔なので、ホグバックはテーブルを舐めて食事をします。





ですから、床を舐めるというのも、私達が考えるほど異常な
行動ではないかもしれませんよ。
もしかしたら「お客様に挨拶をしなさい」くらいの命令だったのかも。

まぁ、ホグバックの歪んだ愛情についてはこれくらいにして
床を舐めるシンドリーちゃんの体を、ヴィクトリア・シンドリーの家族が
見たとしたら、さぞ、心を痛めるでしょう。
そして、実はちょっと忘れがちなんですが、
「婚約していた大富豪の主人の愛を試す為に
 主人の宝物の10枚の皿を全て叩き割った所
 婚約破棄され顔にハナクソをつけられて追い出された女性」も
どこかで生きているということです。

彼女はブルックと同じように太陽の下には出られない状態で
そして、分身である影を死体に入れられて床を舐めさせられているのです。

ホグバックは同時に二人の女性を犯してしまったんだと考えると
強い憤りを感じます。

彼女達の苦しみを、どうやってホグバックに理解させれば良いのでしょう。

目には目を、という考えならホグバックの影を何かの死体に入れてやれ、と
思うのですが、それではモリア達と同じ罪を犯してるのですからダメですね。

ハッピーエンドとしては全てのゾンビが浄化され
死体はきちんと埋葬され、ホグバックの医術が病める人の救いなることなんですが。

涙を流したシンドリーちゃんの死体に
一瞬、本当のヴィクトリア・シンドリーの魂が戻ったとしたなら・・・
そしてホグバックへ医師としての導きの言葉をなげかけたとしたなら・・・

ホグバックの“蘇生術”が成功した瞬間でもあり
そして自分の犯した過ちに気付く瞬間なのかも。

ホグバックの心を動かすのは、やっぱり人の心であればいい。


2007.8.29



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